こんにちは、トントンです。
今週の日本株市場は、米国の関税政策の不透明感や円高の進行を背景に軟調な展開が続きました。輸出株を中心に調整色が強まりつつも、防衛や海運といった一部セクターは堅調さを維持しました。
📊 主要指数まとめ
指数 | 終値(5/30) | 前週比 | コメント |
---|---|---|---|
日経平均 | 37,160.47円 | -593.25円 | 米国債格下げや円高進行が重し、6週ぶりの反落 |
TOPIX | 2,630.50pt | -45.00pt | 幅広い業種で売り優勢 |
マザーズ | 740.00pt | -12.00pt | 新興市場も軟調 |
ドル円 | 142.50円 | -3.50円 | 円高が輸出企業の業績懸念を強める |
NYダウ | 38,950ドル | -800ドル | 格下げ懸念や経済指標の悪化で売られる |
NASDAQ | 16,200pt | -300pt | ハイテク株中心に売りが優勢 |
原油(WTI) | 78.00ドル | -1.10ドル | 需給バランスの懸念 |
金 | 1,920ドル | +8ドル | 安全資産としての需要が継続 |
🔍 今週の注目材料
🏦 米国債格下げと世界市場への波及
ムーディーズによる米国債の格下げ報道が市場にリスク回避の波を広げ、主要国の株価指数に影響を与えました。円高圧力が増し、輸出関連株にとって逆風となっています。
💱 為替の急変動が企業収益に影を落とす
ドル円が一時142円台を割り込む展開となり、輸出産業全体に業績懸念が広がりました。とくに自動車・電機株などに売りが集中しました。
🌐 テーマ株動向:防衛・電力・パワー半導体
ロームなどのパワー半導体関連、防衛需要の高まりで三菱重工、電力不足懸念からのエネルギー関連が注目されました。
📉 信用・需給指標(5/30時点)
- 信用評価損益率:-10.2%(投資家の含み損が増加、警戒水準)
- 空売り比率:41.8%(やや高水準、需給悪化)
🌍 海外投資家の売買動向(投資部門別売買動向)
- 現物株:1,230億円 売り越し(4週連続)
- 先物:820億円 買い越し
海外勢は現物を売りつつも先物ではリスクを取っており、短期的な値動きに強い関心を寄せています。
📊 業種別パフォーマンス
⬆ 上昇セクター
- 海運:商船三井(9104)などが底堅い動き。
- 防衛:三菱重工(7011)に政策期待の買いが入る。
⬇ 下落セクター
- 自動車:トヨタ(7203)など、為替の影響で軟調。
- 精密機器:テルモ(4543)なども売りが優勢。
- 不動産:金利上昇懸念で三井不動産(8801)などに売り圧力。
🏢 注目銘柄ピックアップ
銘柄 | 材料 | 株価変動 |
---|---|---|
ローム(6963) | ウルフスピード経営難→パワー半導体需要拡大期待 | +3.5% |
住友ファーマ(4506) | 米薬価懸念で医薬セクターに売り | -4.2% |
三菱重工(7011) | 防衛・原子力再評価で物色集中 | +2.8% |
🔼 週間ランキング(値上がり・出来高)
✅ 値上がり率上位(東証プライム)
銘柄 | 前週比 | コメント |
---|---|---|
ジャパンエレベーター(6544) | +18.2% | 業績上方修正・自社株買い発表 |
ダブルスコープ(6619) | +12.7% | 韓国EV関連で思惑再燃 |
ニチコン(6996) | +10.4% | 電力貯蔵関連テーマで物色 |
📊 出来高急増銘柄
- ENEOS(5020):大口売買観測
- メルカリ(4385):決算控えたポジション調整
- 日経レバETF(1570):短期売買が活発
📅 来週の重要スケジュール(6月3日〜7日)
- 6/3(月) 日本・5月消費者物価指数(CPI)
- 6/4(火) 米国・ISM製造業指数
- 6/5(水) 米国・ADP雇用統計
- 6/6(木) 米国・5月雇用統計
- 6/7(金) 日本・家計調査、景況感指標
→ 米国雇用統計が最大の注目ポイント。インフレ鈍化の兆しが見えるか?
💬 編集後記と投資スタンス
今週の日本株市場は、外部リスク(米国格下げ、為替、政策不透明感)が重なり、調整ムードが強まりました。信用評価損益率や空売り比率を見ると、個人投資家の含み損が拡大し、センチメントが悪化傾向にあります。
一方、海外勢は現物を売り越しながらも先物では買いに転じており、調整後の反発局面を狙っている様子も伺えます。
来週は雇用統計やCPIといった重要指標が控えており、「下げたら拾う」よりも、「指標通過を見極めてから動く」という慎重なスタンスが無難でしょう。