2025年5月第3週の日本株市場は、決算シーズンの終盤戦を迎え、物色の焦点がより明確になってきました。TOPIXは一服感を見せたものの、NTT再編や米中関係改善の報道が下支えとなり、日経平均は一時38,000円台を回復する場面もありました。小型株やグロース株にも資金が入り、全体としては堅調な1週間となりました。
📊 今週の主要指数まとめ
指数 | 終値(5/16) | 前週比 | コメント |
---|---|---|---|
日経平均 | 37,753.72円 | +0.67% | 一時38,000円台乗せも週末は調整 |
TOPIX | 2,720 | +0.25% | 11連騰後の一服、横ばい推移 |
東証グロース | 1,080 | +2.9% | テーマ株や好決算銘柄に資金集中 |
ドル円 | 149.2円 | +1.1% | 円安進行が輸出株支援 |
NYダウ | 39,750ドル | +2.1% | 景気敏感株に買い戻し |
NASDAQ | 16,780 | +3.2% | AI・半導体株再評価 |
原油 | 79.1ドル | +2.3% | OPECの追加減産報道 |
金 | 1,912ドル | -0.8% | 米長期金利上昇が重荷 |
🧩 今週の注目材料
🔹 国内決算
- ソフトバンクG(9984):投資先評価益が回復し10%増益、株価も続伸。
- トヨタ(7203):増収ながら来期の減益見通しで反落。
- 任天堂(7974):増配も次世代機発表なしで材料出尽くし感。
🔹 経済指標・政策
- 日銀は政策据え置き。市場は金利安定を好感。
- 米雇用統計(4月):+17.2万人と予想通り。失業率3.9%。
- ISM非製造業指数:52.3と堅調。景気後退懸念後退。
🔹 テーマ株:NTT再編
- NTTデータ(9613):完全子会社化報道を受け株価+14%超の急騰。
- 情報通信株に波及、関連銘柄も高騰。
📈 業種別パフォーマンス
⬆ 上昇セクター
- 電気機器(ディスコ、東エレク):AI・半導体期待で物色継続
- 情報通信(NTT再編関連):テーマ株として物色集中
- 不動産:長期金利安定で高配当利回り銘柄が再評価
⬇ 下落セクター
- 輸送用機器:トヨタ・ホンダなど慎重見通し
- 医薬品:薬価改定への警戒感と業績懸念
🔍 注目銘柄ピックアップ
銘柄 | 材料 | 株価変動 |
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NTTデータ(9613) | 完全子会社化報道 | +14.2% |
ディスコ(6146) | 半導体設備需要継続 | +7.8% |
ニッピ(7932) | サプライズ増配(配当487円) | +6.3% |
📅 来週の注目スケジュール(5/20〜5/24)
- 5/21(火):ソニーG、三菱UFJなど主力企業の決算
- 5/22(木):日本・1-3月期GDP速報
- 米国:CPI・PPI・FOMC関係者の発言
- 日銀:金融政策決定会合の議事要旨公表
💡 投資スタンスとまとめ
今週の日本株はテーマ株と好決算銘柄を中心にしっかりとした展開でしたが、指数の上値はやや重く、過熱感も出ています。来週は国内GDP速報と米国インフレ指標が控えており、株価は上下に振れやすくなる可能性があります。
短期:決算後に売られ過ぎた銘柄のリバウンド狙い
中長期:高配当・テーマ株(AI/通信)を分散投資で拾う戦略
引き続き、個別企業のファンダメンタルズと世界的なマクロ動向の両方に目を向けながら、慎重かつ柔軟な姿勢で臨みたい局面です。
※当記事は情報提供を目的としたものであり、投資の助言を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任にてお願いいたします。