こんにちは、トントンです。
家族や友人が脳卒中や骨折などで入院し、急性期の治療が落ち着いてくると、病院から
「次はリハビリ病院への転院を考えましょう」
と言われることがあります。
でも、いきなりリハビリ病院を探すことになっても、正直よくわからないですよね。
家から近い病院がよいのか。
リハビリの評判がよい病院がよいのか。
病院のホームページを見ても、どこを確認すればよいのか。
迷うのは当然です。
そんなときにまず見てほしいのが、病院ホームページに掲載されている施設基準とリハビリテーション実績指数です。
さらに、リハビリ病院を選ぶときは、数字だけでなく、診療科目や医師体制も大切です。
脳卒中後の方であれば、脳神経外科や脳神経内科、リハビリテーション科の医師が関わっているか。
骨折や人工関節手術後の方であれば、整形外科やリハビリテーション科の医師が関わっているか。
このように、患者さんの病状に合った医師がいるかどうかも、リハビリ病院選びでは重要なポイントになります。
この記事では、家族がリハビリ病院を選ぶときに、病院ホームページで何を確認すればよいのかをわかりやすく解説します。
- この記事を書いた人
- この記事でわかること
- まず結論|リハビリ病院選びはこの5つを見る
- 回復期リハビリテーション病棟とは?
- 病院ホームページでまず見るべきは「施設基準」
- 回復期リハビリテーション病棟入院料とは?
- リハビリテーション実績指数とは?
- 2026年改定後の実績指数の目安
- 実績指数は病院ホームページで確認できる
- 実績指数以外に見ておきたい数字
- 実績指数だけで病院を選んではいけない理由
- 診療科目と医師体制も大事なポイント
- PT・OT・STの体制も確認する
- 土日祝もリハビリがあるか確認する
- 退院支援の体制も必ず見る
- 家族が病院ホームページで見るべきチェックリスト
- 医療相談員に聞きたい質問リスト
- リハビリ病院を選ぶときの具体的な流れ
- よくある質問
- 最後に確認したいチェックリスト
- まとめ|リハビリ病院選びは「数字」と「人」の両方を見る
- 参考資料
この記事を書いた人
トントン
医療系国家資格保有者/病院事務長
医療現場での経験をもとに、患者さんやご家族が病院選び・医療制度・リハビリについて理解しやすくなるよう、できるだけ専門用語をかみくだいて解説しています。
※この記事は、リハビリ病院選びの一般的な考え方を解説するものです。実際の転院先や治療方針は、主治医・医療相談員・転院候補先の地域連携室などに確認してください。
この記事でわかること
この記事では、主に入院中のリハビリ、特に回復期リハビリテーション病棟を中心に説明します。
外来リハビリ、訪問リハビリ、デイケア、自費リハビリとは少し違う話です。
この記事でわかることは、次のとおりです。
- リハビリ病院を選ぶときに見るべきポイント
- 回復期リハビリテーション病棟とは何か
- 病院ホームページで確認したい施設基準
- リハビリテーション実績指数の見方
- 2026年改定後の実績指数の目安
- 実績指数以外に確認したい数字
- 診療科目や医師体制を見るべき理由
- 医療相談員に確認したい質問
まず結論|リハビリ病院選びはこの5つを見る
リハビリ病院を選ぶときは、次の5つを確認しましょう。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 施設基準 | 回復期リハビリテーション病棟入院料の区分 |
| 実績指数 | リハビリの成果を示す目安 |
| 診療科・医師体制 | 病状に合った医師が関わっているか |
| リハビリ体制 | PT・OT・ST、土日祝のリハビリ体制 |
| 退院支援 | 自宅退院や生活再建まで支援してくれるか |
この中でも、まず病院ホームページで確認しやすいのが、施設基準とリハビリテーション実績指数です。
令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料の実績指数基準が見直され、入院料1は42以上、入院料2は32以上、入院料3は37以上、入院料4は32以上と整理されています。
また、回復期リハビリテーション病棟では、退棟患者数や状態区分別内訳、直近のリハビリテーション実績指数について、少なくとも3か月ごとに院内掲示し、ウェブサイトにも掲載することが示されています。自院ホームページ等を持たない場合は例外ですが、今後は病院ホームページで確認しやすくなる情報です。
回復期リハビリテーション病棟とは?
回復期リハビリテーション病棟とは、脳卒中や骨折などの急性期治療が落ち着いたあとに、集中的なリハビリを行う病棟です。
簡単にいうと、
家に帰るための体づくり・生活動作の練習を集中的に行う病棟
です。
リハビリ病院そのものの役割や、どのような病気・けがで入院できるのかを先に知りたい方は、関連記事のリハビリ病院ってどんなとこ?も参考にしてください。
たとえば、次のような方が対象になりやすいです。
- 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などのあと
- 大腿骨近位部骨折、骨盤骨折、脊椎圧迫骨折などのあと
- 人工股関節、人工膝関節などの手術後
- 肺炎や手術後の安静によって体力が落ちた状態
- 高次脳機能障害、失語症、嚥下障害、歩行障害などがある状態
回復期リハビリテーション病棟では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士だけでなく、医師、看護師、社会福祉士、管理栄養士など、さまざまな職種が関わります。
厚生労働省の通知でも、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士などの多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画書を作成し、リハビリの効果や方法を評価する仕組みが示されています。
つまり、リハビリ病院は「リハビリだけをする場所」ではありません。
医師による医学的管理、看護、食事、栄養、薬、退院支援、家族への説明まで含めて、生活を立て直していく場所です。
病院ホームページでまず見るべきは「施設基準」
リハビリ病院を探すときは、まず病院ホームページで次のようなページを探してみてください。
- 施設基準
- 届出施設基準
- 厚生労働大臣が定める掲示事項
- 回復期リハビリテーション病棟
- 回復期リハビリテーション病棟入院料
- リハビリテーション実績指数
- 病院指標
- 診療実績
- リハビリテーション科
- 地域連携室
病院によってページ名は違います。
「施設基準」というページに載っていることもあれば、「病院紹介」「当院について」「掲示事項」「リハビリテーション科」などのページにPDFで掲載されていることもあります。
探すときは、Googleなどで次のように検索してもよいです。
病院名 施設基準
病院名 回復期リハビリテーション病棟入院料
病院名 リハビリテーション実績指数
病院名 厚生労働大臣が定める掲示事項
ここで確認したいのが、回復期リハビリテーション病棟入院料の区分です。
回復期リハビリテーション病棟入院料とは?
回復期リハビリテーション病棟には、施設基準に応じた入院料の区分があります。
家族が細かい診療報酬の点数まで覚える必要はありません。
まずは、
この病院は、回復期リハビリテーション病棟入院料の何を届け出ているのか?
を確認しましょう。
| 区分 | 見方の目安 |
|---|---|
| 入院料1 | 最も高い基準。スタッフ配置、実績、退院支援などの基準が厳しい |
| 入院料2 | 入院料1に近いが、一部の基準が異なる |
| 入院料3 | 入院料1・2とは体制や実績要件が異なる |
| 入院料4 | 入院料3に近いが、一部の基準が異なる |
| 入院料5 | 新規・移行的な扱いなど、内容の確認が必要 |
厚生労働省の資料では、主な施設基準として、医師、看護職員、看護補助者、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、管理栄養士、休日のリハビリテーション、FIM研修、自宅等退院割合、リハビリテーション実績指数などが整理されています。
一般的には、回復期リハビリテーション病棟入院料1を取得している病院は、高い施設基準を満たしている目安になります。
ただし、ここは大事です。
入院料1だから絶対によい病院、入院料1以外だから悪い病院、という単純な話ではありません。
患者さんの病状、受け入れ時期、家からの距離、退院支援、医師体制、本人との相性も含めて考える必要があります。
リハビリテーション実績指数とは?
次に見たいのが、リハビリテーション実績指数です。
これは、かなりざっくりいうと、
入院中にどれだけ日常生活動作が改善し、どれくらいの期間で退院したかを見る指標
です。
回復期リハビリテーション病棟では、入院時や退院時にFIMという評価を使って、日常生活動作を確認します。
FIMでは、たとえば次のような生活動作を評価します。
- 食事
- 整容
- トイレ動作
- 移乗
- 歩行・車椅子
- 階段
- コミュニケーション
- 認知機能
厚生労働省の通知でも、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する病棟では、入院時または転院時および退院時に日常生活機能評価またはFIMを測定し、評価にはFIMを用いることが望ましいとされています。
実績指数は、退院時のFIM運動項目から入院時のFIM運動項目を引いた改善分などをもとに計算されます。
つまり、実績指数が高い病院は、
一定期間の中で、ADLの改善につながるリハビリを行えている可能性がある病院
と見ることができます。
ただし、実績指数はあくまで病院選びの材料のひとつです。
数字だけで病院の良し悪しを決めるのではなく、患者さんの病状や退院後の生活も含めて考えることが大切です。
2026年改定後の実績指数の目安

以前は、回復期リハビリテーション病棟入院料1の実績指数は40以上が目安でした。
しかし、令和8年度診療報酬改定では、実績指数の基準が見直されています。
| 区分 | 改定前 | 2026年改定後 |
|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟入院料1 | 40以上 | 42以上 |
| 回復期リハビリテーション病棟入院料2 | なし | 32以上 |
| 回復期リハビリテーション病棟入院料3 | 35以上 | 37以上 |
| 回復期リハビリテーション病棟入院料4 | なし | 32以上 |
令和8年度改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料1と3の実績指数基準が見直され、入院料2と4にも新たに実績指数の要件が導入されています。
そのため、これからリハビリ病院を探すときは、
実績指数40以上を見よう
ではなく、
2026年改定後は、入院料1なら実績指数42以上が基準
と考えるほうが正確です。
実績指数は病院ホームページで確認できる
リハビリテーション実績指数は、病院ホームページで確認できることが増えていきます。
令和8年度改定では、回復期リハビリテーション病棟の退棟患者数、状態区分別内訳、直近のリハビリテーション実績指数を少なくとも3か月ごとに院内掲示し、ウェブサイトにも掲載することが示されています。
病院ホームページで探すときは、次のようなタイトルのページやPDFを見てみてください。
- 回復期リハビリテーション病棟入院料に係る掲示事項
- 回復期リハビリテーション病棟の実績
- リハビリテーション実績指数
- 厚生労働大臣が定める掲示事項
- 施設基準一覧
- 病院指標
- 診療実績
見つからない場合は、病院の地域連携室や医療相談員に聞いても大丈夫です。
聞き方は、これくらいで十分です。
「回復期リハビリテーション病棟入院料はいくつですか?」
「直近のリハビリテーション実績指数はどのくらいですか?」
「ホームページのどこに掲載されていますか?」
実績指数以外に見ておきたい数字
リハビリ病院を選ぶときは、実績指数だけでなく、ほかの数字も参考になります。
特に見ておきたいのは、次のような項目です。
| 確認したい数字 | 見方 |
|---|---|
| 自宅等退院割合・在宅復帰率 | 自宅や自宅に準ずる場所へ退院できた割合 |
| 平均リハビリ実施単位数 | どれくらいリハビリが提供されているか |
| 重症患者の受け入れ割合 | 重症の患者さんをどれくらい受け入れているか |
| 重症患者の改善割合 | 重症の患者さんがどれくらい改善しているか |
| 平均在院日数 | 入院から退院までの平均日数 |
ただし、これらの数字も単独で判断するのは危険です。
たとえば、在宅復帰率が高い病院は、退院支援がしっかりしている可能性があります。
一方で、重症の患者さんを多く受け入れている病院では、在宅復帰率や平均在院日数の見え方が変わることもあります。
平均在院日数も同じです。
入院期間が短いからよい、長いから悪い、とは言い切れません。
なお、退院後もリハビリを続けたい場合や、「医療保険のリハビリはいつまで受けられるの?」と不安な方は、リハビリはいつまで保険で受けられる?150日ルール・13単位を解説も参考にしてください。
短い場合は、効率よくリハビリが進んでいる可能性もあります。
一方で、軽症の患者さんが多いだけかもしれません。
長い場合は、リハビリが進みにくい可能性もあります。
しかし、重症の患者さんをしっかり受け入れて、時間をかけて支援している病院かもしれません。
数字は大切です。
でも、数字は病院のすべてを表すものではありません。
実績指数、在宅復帰率、平均リハビリ実施単位数、患者さんの状態をあわせて見ることが大切です。
実績指数だけで病院を選んではいけない理由
ここまで実績指数の話をしてきましたが、実績指数だけで病院を決めるのはおすすめしません。
なぜなら、リハビリの結果は患者さんの状態によって大きく変わるからです。
たとえば、同じ脳梗塞でも、
- 麻痺の重さ
- 高次脳機能障害の有無
- 失語症の有無
- 嚥下障害の有無
- 認知症の有無
- 心不全や肺炎などの合併症
- もともとの体力
- 家に帰れる環境があるか
- 家族の支援体制があるか
によって、リハビリの進み方はまったく違います。
また、実績指数は「改善」と「入院期間」が関係する指標です。
そのため、病院ごとの患者層や退院支援の方針によっても見え方が変わります。
だからこそ、実績指数は大切な目安ですが、
実績指数が高い=すべての患者さんにとって一番よい病院
とは限りません。
実績指数に加えて、診療科、医師体制、スタッフ体制、退院支援、家族の通いやすさも見ていきましょう。
診療科目と医師体制も大事なポイント

リハビリ病院選びで見落としがちなのが、診療科目と医師体制です。
リハビリというと、どうしても理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の人数やリハビリ時間に目が向きます。
もちろん、それも大切です。
でも、入院中のリハビリは医療の中で行われます。
そのため、患者さんの病状に応じた医師が関わっているかも重要です。
たとえば、次のように見ていきます。
| 病状 | 確認したい診療科・医師体制 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血 | 脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション科 | 麻痺、高次脳機能障害、失語、嚥下障害への対応 |
| 大腿骨近位部骨折・脊椎圧迫骨折・人工関節手術後 | 整形外科、リハビリテーション科 | 荷重制限、痛み、骨折後の管理、再転倒予防 |
| 肺炎後・手術後の廃用症候群 | 内科、呼吸器内科、リハビリテーション科 | 体力低下、呼吸状態、栄養状態の管理 |
| 心不全・心疾患を合併している | 循環器内科、リハビリテーション科 | 運動負荷、息切れ、心臓への負担管理 |
| 認知症・せん妄・複数の持病がある | 内科、脳神経内科、精神科など | 薬の調整、生活リズム、転倒リスクへの対応 |
| 食事や飲み込みに不安がある | リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、歯科、言語聴覚士など | 嚥下評価、食事形態、誤嚥予防 |
たとえば、脳卒中後の方であれば、脳神経外科や脳神経内科の医師が関わっているか。
骨折や人工関節の手術後であれば、整形外科の医師が関わっているか。
そして、リハビリ全体を見てくれるリハビリテーション科の医師がいるか。
このあたりはかなり大事です。
ただし、注意点もあります。
病院ホームページに「脳神経外科」「整形外科」「リハビリテーション科」と書いてあっても、その診療科の医師が常に回復期リハビリテーション病棟を担当しているとは限りません。
本当に確認したいのは、
その病棟で、どの医師が、どのように関わっているか
です。
回復期リハビリテーション病棟協会も、より良い回復期リハビリ病棟を選ぶポイントとして、チームアプローチを挙げています。特に、医師がカンファレンスに参加し、患者さんや家族にリハビリの状況を説明しているかは、確認したいポイントとされています。
病院ホームページで診療科目を見るときは、次のような点を確認しましょう。
- リハビリテーション科があるか
- 脳神経外科、脳神経内科があるか
- 整形外科があるか
- 内科、循環器内科、呼吸器内科などがあるか
- 常勤医師か非常勤医師か
- 回復期リハビリ病棟を担当する医師が紹介されているか
- 医師による家族説明やカンファレンスがあるか
リハビリ病院は「リハビリだけする場所」ではありません。
入院中に体調が変わることもあります。
薬の調整、痛みの管理、嚥下や栄養、再発予防、転倒予防なども大切です。
だからこそ、病状に応じた医師が関わっているかは、リハビリ病院選びの重要なポイントです。
PT・OT・STの体制も確認する
リハビリ病院を選ぶときは、リハビリ専門職の体制も確認しましょう。
リハビリ専門職には、主に次の3職種があります。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 理学療法士 PT | 起きる、立つ、歩く、階段昇降などの練習 |
| 作業療法士 OT | 着替え、トイレ、入浴、家事、手の動きなどの練習 |
| 言語聴覚士 ST | 言葉、飲み込み、発声、高次脳機能などの支援 |
脳卒中後の方で、失語症や飲み込みの問題がある場合は、STの関わりが重要になることがあります。
骨折後の方であれば、PTによる歩行練習だけでなく、OTによるトイレや入浴動作の練習も大切です。
家に帰ることを考えると、単に歩けるだけでは足りないことがあります。
- トイレに行けるか
- ベッドから起き上がれるか
- 服を着替えられるか
- 食事を安全に食べられるか
- 階段を上れるか
- 家の中を移動できるか
- 家族が介助できる方法になっているか
こうした生活動作まで見てくれる病院かどうかが大切です。
土日祝もリハビリがあるか確認する
回復期リハビリでは、リハビリの継続性も大切です。
平日はしっかりリハビリがあっても、土日祝にリハビリが少ないと、活動量が落ちやすくなります。
厚生労働省の通知では、休日リハビリテーション提供体制加算について、患者が入院当初から集中的なリハビリを継続して受けられるよう、土曜日・休日でも平日と同様のリハビリ提供が可能な体制を評価するものとされています。
家族としては、次のように聞いてみるとよいです。
「土日祝もリハビリはありますか?」
「土日祝のリハビリ時間は平日とどのくらい違いますか?」
「病棟での自主練習や生活リハビリはありますか?」
ここでいうリハビリは、リハビリ室で行う訓練だけではありません。
病棟でトイレに行く。
食事をする。
着替える。
車椅子に移る。
歩行練習をする。
こうした日常生活そのものも、回復期では大切なリハビリになります。
退院支援の体制も必ず見る
回復期リハビリのゴールは、単に病院内で歩けるようになることではありません。
大切なのは、
退院後の生活に戻れるか
です。
そのため、退院支援の体制も確認しましょう。
見るポイントは次のとおりです。
- 退院前カンファレンスがあるか
- 家族への介助指導があるか
- 自宅訪問や家屋評価があるか
- 住宅改修の相談ができるか
- 介護保険サービスとの連携があるか
- ケアマネジャーとの連携があるか
- 訪問リハビリ、外来リハビリにつなげてくれるか
- 高次脳機能障害や嚥下障害がある場合、退院後の相談先を教えてくれるか
回復期リハビリテーション病棟協会も、在宅復帰支援や退院後のフォローアップ、院内・院外の連携体制を確認することを、より良い病棟を選ぶポイントとして挙げています。
退院後の生活は、入院中よりずっと長く続きます。
だからこそ、リハビリ病院を選ぶときは、
入院中にどれだけリハビリできるか
だけでなく、
退院後の生活まで考えてくれるか
を見ておくことが大切です。
家族が病院ホームページで見るべきチェックリスト

リハビリ病院を探すときは、病院ホームページで次の項目を確認してみてください。
| チェック項目 | 見る場所の例 |
|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟があるか | 病棟紹介、リハビリ科ページ |
| 回復期リハビリテーション病棟入院料の区分 | 施設基準、届出施設基準 |
| リハビリテーション実績指数 | 掲示事項、病院指標、PDF |
| 在宅復帰率・自宅等退院割合 | 病院指標、診療実績 |
| 平均リハビリ実施単位数 | リハビリテーション部紹介 |
| 診療科目 | 診療科案内 |
| 医師体制 | 医師紹介、リハビリ科紹介 |
| PT・OT・STの体制 | リハビリテーション部紹介 |
| 土日祝リハビリ | リハビリ科、病棟紹介 |
| 退院支援 | 地域連携室、医療相談室 |
| 面会・家族説明 | 入院案内 |
特に確認したいキーワードは、次の6つです。
施設基準
回復期リハビリテーション病棟入院料
リハビリテーション実績指数
診療科目
医師体制
退院支援
この6つを見るだけでも、病院の特徴はかなり見えてきます。
医療相談員に聞きたい質問リスト
ホームページを見ても、よくわからないことはあります。
その場合は、急性期病院の医療相談員や、転院先候補の地域連携室に確認しましょう。
聞きたい質問は、次のようなものです。
「回復期リハビリテーション病棟入院料はいくつですか?」
「直近のリハビリテーション実績指数はどのくらいですか?」
「脳卒中の患者さんは多いですか?」
「骨折後の患者さんは多いですか?」
「リハビリテーション科の医師はいますか?」
「脳神経外科や脳神経内科の医師は関わりますか?」
「整形外科の医師は関わりますか?」
「土日祝もリハビリはありますか?」
「STによる飲み込みや言葉のリハビリはありますか?」
「家族への説明やカンファレンスはありますか?」
「退院前に自宅環境の確認はしてくれますか?」
「退院後の訪問リハビリや外来リハビリにつないでくれますか?」
質問するときは、難しい言葉を使わなくても大丈夫です。
たとえば、
「父は脳梗塞後で、歩く練習だけでなく、飲み込みや言葉のリハビリも必要そうです。この病院ではそういうリハビリに対応できますか?」
という聞き方でも十分です。
大切なのは、患者さん本人の状態と、家族が不安に思っていることを伝えることです。
リハビリ病院を選ぶときの具体的な流れ

リハビリ病院を選ぶときは、次の流れで考えると整理しやすいです。
ステップ1|主治医や医療相談員に候補病院を聞く
まずは、現在入院している病院の主治医や医療相談員に相談しましょう。
急性期病院では、患者さんの状態や地域の受け入れ状況を踏まえて、転院候補を提案してくれることがあります。
ステップ2|候補病院のホームページを見る
候補病院が出たら、病院ホームページを確認します。
見るポイントは、
- 回復期リハビリテーション病棟の有無
- 入院料の区分
- 実績指数
- 診療科目
- 医師体制
- リハビリスタッフ体制
- 退院支援
- 土日祝リハビリ
です。
ステップ3|わからないことを相談員に確認する
ホームページでわからないことは、遠慮せず確認しましょう。
特に、診療科や医師体制は、ホームページだけではわかりにくいことがあります。
「その診療科があるか」だけでなく、「その病棟でどう関わっているか」を聞くのがポイントです。
ステップ4|本人の目標に合うか考える
最後は、本人の目標に合うかを考えましょう。
たとえば、
- 自宅に帰りたい
- トイレに行けるようになりたい
- 食事を口から食べたい
- 杖で歩けるようになりたい
- 階段を上れるようになりたい
- 家族の介護負担を減らしたい
こうした目標に対して、病院がどのように支援してくれるかが大切です。
よくある質問
実績指数が高い病院を選べば間違いありませんか?
実績指数は大切な目安ですが、それだけで決めるのはおすすめしません。
患者さんの病状、合併症、年齢、認知機能、退院先、家族の支援体制によって、合う病院は変わります。
実績指数は、あくまで病院選びの材料のひとつとして見ましょう。
回復期リハビリテーション病棟入院料1の病院を選べばよいですか?
入院料1は、高い施設基準を満たしている目安になります。
ただし、入院料1だけで判断するのではなく、診療科、医師体制、退院支援、家からの距離、本人の希望も合わせて考えましょう。
ホームページに実績指数が載っていない病院は避けたほうがよいですか?
すぐに避ける必要はありません。
ホームページ上で見つけにくいだけの場合もあります。
「厚生労働大臣が定める掲示事項」「施設基準」「回復期リハビリテーション病棟の実績」などのPDFに載っていることもあります。
見つからない場合は、地域連携室や医療相談員に確認してみましょう。
診療科目はどこまで見ればよいですか?
患者さんの病状に合う診療科があるかを見ましょう。
脳卒中後なら、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション科。
骨折や人工関節の手術後なら、整形外科、リハビリテーション科。
心不全や肺炎後の体力低下があるなら、内科、循環器内科、呼吸器内科なども確認したいところです。
ただし、診療科名だけでなく、実際にその医師が回復期リハビリ病棟にどのように関わっているかも大切です。
STがいる病院を選んだほうがいいですか?
失語症、飲み込みの障害、声や発音の問題、高次脳機能障害がある場合は、言語聴覚士、いわゆるSTが関わるかどうかも大切です。
特に脳卒中後の方や、食事中にむせる、言葉が出にくい、記憶や注意力に不安がある方は、STの体制を確認してみましょう。
家から遠くても実績指数が高い病院を選ぶべきですか?
実績指数は大切な目安ですが、家族が通いやすいかも重要です。
回復期リハビリでは、家族への説明、退院前カンファレンス、住宅改修の相談、介助指導などが必要になることがあります。
家から遠すぎると、家族が関わりにくくなる場合もあります。
数字と通いやすさの両方を考えて選びましょう。
在宅復帰率が高い病院を選べばよいですか?
在宅復帰率は参考になりますが、それだけで判断するのはおすすめしません。
重症の患者さんを多く受け入れている病院では、在宅復帰率の見え方が変わることがあります。
実績指数、退院支援、家族への説明、本人の病状との相性もあわせて確認しましょう。
最後に確認したいチェックリスト
リハビリ病院を選ぶ前に、次の項目を確認してみてください。
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟がある | □ |
| 回復期リハビリテーション病棟入院料の区分がわかる | □ |
| リハビリテーション実績指数が掲載されている | □ |
| 在宅復帰率や自宅等退院割合が確認できる | □ |
| 脳卒中・骨折など病状に合う診療科がある | □ |
| リハビリテーション科の医師が関わっている | □ |
| PT・OT・STの体制がわかる | □ |
| 土日祝もリハビリがある | □ |
| 退院支援や家屋評価がある | □ |
| 家族説明やカンファレンスがある | □ |
| 自宅退院後のリハビリや介護サービスにつなげてくれる | □ |
すべてにチェックが入る病院が絶対によい、というわけではありません。
でも、このチェックリストを使うと、病院ごとの特徴を比べやすくなります。
まとめ|リハビリ病院選びは「数字」と「人」の両方を見る
リハビリ病院を探すときは、まず病院ホームページで次の項目を確認しましょう。
- 回復期リハビリテーション病棟入院料の区分
- リハビリテーション実績指数
- 在宅復帰率・自宅等退院割合
- 診療科目
- 医師体制
- リハビリスタッフ体制
- 土日祝リハビリ
- 退院支援の内容
特に、実績指数はリハビリの成果を見るための重要な目安です。
2026年改定後は、回復期リハビリテーション病棟入院料1では実績指数42以上が基準になります。
ただし、実績指数だけで病院の良し悪しを決めるのではなく、患者さんの病状に合った医師がいるか、チームで支援してくれるか、自宅退院に向けたサポートがあるかも確認しましょう。
リハビリ病院選びは、急に判断を迫られることも多く、家族にとってはとても不安だと思います。
そんなときは、口コミや距離だけで決めるのではなく、病院が公表している施設基準や実績指数を確認してみてください。
そのうえで、主治医や医療相談員と相談しながら、本人の病状と生活目標に合った病院を選んでいきましょう。


