" /> いりょかいブログ - リハビリ病院とは?入院できる人・期間・回復期リハビリテーション病棟をわかりやすく解説

リハビリ病院とは?入院できる人・期間・回復期リハビリテーション病棟をわかりやすく解説

医療・介護情報

執筆:トントン|病院事務長/医療系国家資格保有

リハビリ病院とは、病気やけがの治療が落ち着いたあとに、集中的なリハビリを行い、退院後の生活を整えるための病院です。

脳卒中や骨折などで急性期病院に入院していると、治療が落ち着いてきたタイミングで、

「次はリハビリ病院への転院を考えましょう」

と言われることがあります。

ただ、いきなり「リハビリ病院」と言われても、

  • 普通の病院と何が違うの?
  • 誰でも入院できるの?
  • 何日くらい入院できるの?
  • 自宅に帰れる見込みがないと入院できないの?

と、不安になる方も多いと思います。

この記事では、リハビリ病院の役割、入院できる主な病気やけが、入院期間の目安について、病院事務長として医療機関の運営に関わる立場から、できるだけわかりやすく解説します。

病院の詳しい選び方ではなく、まずは「リハビリ病院ってどんなところ?」を知りたい方向けの基礎解説です。

※この記事は一般的な制度の解説です。実際に入院できるかどうか、入院期間、転院先の判断は、主治医・医療相談員・転院候補先の病院に確認してください。


この記事を書いた人

トントン|病院事務長/医療系国家資格保有

病院事務長として医療機関の運営に関わりながら、医療制度、入退院支援、医療費制度、リハビリ病院の仕組みなどを患者さん・ご家族向けに発信しています。

医療制度は専門用語が多く、患者さんやご家族にとってわかりにくい部分が少なくありません。 このサイトでは、医療現場の視点をもとに、「結局どう考えればいいのか」がわかるように、できるだけやさしい言葉で解説しています。


この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • リハビリ病院とはどんな病院なのか
  • 回復期リハビリテーション病棟とは何か
  • リハビリ病院に入院できる主な病気・けが
  • 入院期間の目安
  • 急性期病院・療養病院・介護施設との違い
  • 入院中にどんなリハビリをするのか
  • 退院後のリハビリや病院選びで確認したいこと

リハビリ病院とは?

リハビリ病院とは、病気やけがの治療が一段落したあとに、集中的なリハビリを行い、生活動作の回復を目指す病院です。

たとえば、次のような方が対象になりやすいです。

  • 脳梗塞や脳出血のあと、歩行や食事、着替えに不安がある方
  • 大腿骨や骨盤などの骨折後、すぐに自宅へ帰るのが難しい方
  • 手術や肺炎などで長く安静にしていたため、体力や筋力が落ちた方
  • 飲み込み、会話、記憶、注意力などにリハビリが必要な方

一般的に「リハビリ病院」と呼ばれる病院の多くは、回復期リハビリテーション病棟を持つ病院です。

ただし、「リハビリ病院」は正式な制度名ではありません。

制度上は、回復期リハビリテーション病棟回復期リハビリテーション病棟入院料という言葉が使われます。

簡単にいうと、リハビリ病院は「病気を治すためだけの病院」ではなく、治療後の生活を立て直すための病院です。


回復期リハビリテーション病棟とは?

回復期リハビリテーション病棟とは、脳卒中や骨折などの急性期治療が落ち着いたあとに、集中的なリハビリを行う病棟です。

回復期リハビリテーション病棟協会では、回復期リハビリテーション病棟について、急性期を脱しても医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対し、多くの専門職がチームで集中的なリハビリを行い、自宅や社会へ戻ることを目的とした病棟と説明しています。

リハビリというと、「歩く練習」をイメージする方が多いかもしれません。

もちろん歩行練習も大切です。

しかし、回復期リハビリテーション病棟で行うリハビリは、それだけではありません。

  • ベッドから起き上がる
  • 服を着替える
  • 食事をする
  • トイレへ行く
  • お風呂に入る
  • 身だしなみを整える
  • 家の中を安全に移動する

こうした日常生活動作も、リハビリの大切な対象です。

つまり、回復期リハビリテーション病棟は、単に筋力をつける場所ではありません。

退院後の生活を見据えて、「その人がどこで、どのように暮らすか」を考えながらリハビリを行う病棟です。


急性期病院・療養病院・介護施設との違い

リハビリ病院の役割は、急性期病院や療養病院、介護施設とは少し違います。

ざっくり整理すると、次のようなイメージです。

種類主な役割対象になりやすい人ポイント
急性期病院病気やけがの治療、手術、救急対応脳卒中、骨折、肺炎などで治療が必要な人まず病状を安定させる場所
リハビリ病院集中的なリハビリ、生活動作の回復治療後、すぐに自宅へ戻るのが難しい人退院後の生活を見据えてリハビリする場所
療養病院長期的な医療管理、療養継続的な医療管理が必要な人リハビリよりも医療管理・療養の比重が大きい
介護老人保健施設など介護保険による在宅復帰支援、生活支援病状は落ち着いたが、介護やリハビリが必要な人医療機関ではなく介護保険施設

急性期病院では、脳卒中の治療、骨折の手術、肺炎の治療など、病気やけがそのものへの治療が中心です。

一方、リハビリ病院では、治療が落ち着いたあとに残る麻痺、筋力低下、歩行障害、飲み込みの問題、日常生活の不安などに対して、集中的なリハビリを行います。

つまり、リハビリ病院は、

まだ自宅に帰るには不安があるけれど、集中的にリハビリをすれば生活を取り戻せる可能性がある人

を支える病院です。


リハビリ病院に入院できる人

リハビリ病院には、希望すれば誰でも入院できるわけではありません。

回復期リハビリテーション病棟に入院できる病気やけがには、制度上の決まりがあります。

厚生労働省の「基本診療料の施設基準等」では、回復期リハビリテーションを要する状態と、算定上限日数が定められています。

主な対象は、次のような状態です。

  • 脳血管疾患
  • 脊髄損傷
  • 頭部外傷
  • 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節などの骨折
  • 外科手術や肺炎などの治療時の安静による廃用症候群
  • 股関節または膝関節の置換術後
  • 急性心筋梗塞、狭心症発作などの心大血管疾患または手術後

ここでいう「廃用症候群」とは、病気や手術などで長く安静にしていた結果、筋力や体力、生活動作の能力が落ちてしまった状態のことです。

たとえば、肺炎でしばらく寝たきりに近い状態が続いたあと、以前のように歩けなくなった、トイレまで行くのが難しくなった、食事や着替えに介助が必要になった、というようなケースです。


入院期間の目安|制度上の算定上限日数

回復期リハビリテーション病棟では、対象となる病気やけがごとに、制度上の算定上限日数が決められています。

ここで大切なのは、この日数は「必ずその日数まで入院できる」という意味ではないことです。

実際の入院期間は、患者さんの状態、リハビリの進み具合、退院先の準備状況、病院の判断などによって変わります。

代表的な対象疾患と算定上限日数は、次のとおりです。

主な病気・けが、状態算定上限日数
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷など150日以内
高次脳機能障害を伴う重症脳血管障害、重度の頚髄損傷、頭部外傷を含む多部位外傷180日以内
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の骨折、または二肢以上の多発骨折90日以内
外科手術または肺炎などの治療時の安静による廃用症候群90日以内
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の神経・筋・靱帯損傷後60日以内
股関節または膝関節の置換術後90日以内
急性心筋梗塞、狭心症発作などの急性発症した心大血管疾患、または手術後90日以内

※上記は制度上の算定上限日数です。必ずこの日数まで入院できるという意味ではありません。実際の入院期間は、患者さんの状態、リハビリの進み具合、退院先の準備状況、病院の判断などによって変わります。

たとえば、大腿骨の骨折後であれば、制度上は90日以内が目安になります。

ただし、状態が改善し、自宅や施設など退院先の準備が整えば、90日より早く退院することもあります。

逆に、制度上の上限があるため、「もっと長くリハビリしたい」と思っても、回復期リハビリテーション病棟にずっと入院し続けられるわけではありません。


入院できるかどうかは誰が決める?

リハビリ病院への入院は、患者さんや家族が希望するだけで決まるものではありません。

多くの場合、現在入院している急性期病院の主治医や医療相談員が、患者さんの状態を確認したうえで、リハビリ病院への転院が必要かどうかを検討します。

その後、紹介先のリハビリ病院が、診療情報、身体状況、リハビリの必要性、退院先の見込みなどを確認し、受け入れ可能かどうかを判断します。

入院の判断では、主に次のような点が見られます。

  • 回復期リハビリテーション病棟の対象となる病気やけがに該当するか
  • 集中的なリハビリが必要か
  • 医学的な管理が必要か
  • リハビリによって生活機能の改善が期待できるか
  • 退院後の生活をどう考えるか

つまり、リハビリ病院は「リハビリをしたい人が自由に選んで入る場所」というより、医学的に必要性があり、受け入れ先の病院が入院可能と判断した場合に入院する病院です。

転院の話が出たら、まずは現在入院している病院の主治医や医療相談員に相談しましょう。


リハビリ病院に入院するまでの流れ

リハビリ病院への転院は、家族だけで直接探して決めるというより、現在入院している病院の主治医や医療相談員と相談しながら進めることが多いです。

流れ内容家族が確認したいこと
1. 急性期病院で治療脳卒中や骨折などの治療を受ける今後リハビリ病院が必要になりそうか
2. 主治医・医療相談員に相談転院の必要性や候補先を相談する希望地域、家族の面会しやすさ、退院先の希望
3. リハビリ病院へ情報提供診療情報や身体状況をもとに受け入れを相談する入院できる見込み、待機期間、費用の目安
4. リハビリ病院が受け入れ判断対象疾患、状態、リハビリの必要性などを確認する入院期間の見込み、リハビリ内容、退院支援
5. 転院・入院リハビリ病院で集中的なリハビリを開始する家族が準備する物、面会方法、退院後の方向性

リハビリ病院に入院できるかどうかは、病名だけで機械的に決まるわけではありません。 本人の状態、リハビリの必要性、医学的管理の必要性、退院後の見通しなどを含めて判断されます。


リハビリ病院ではどんなリハビリをする?

リハビリ病院では、患者さんの状態に合わせて、さまざまなリハビリを行います。

代表的なのは、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の3つです。

リハビリの種類主な内容具体例
理学療法体を動かす機能の回復を目指す起き上がる、立つ、歩く、階段を上る
作業療法日常生活に必要な動作の回復を目指す着替え、トイレ、入浴、食事、家事
言語聴覚療法話す・飲み込む・食べる機能などを支援する会話、発音、飲み込み、食事の練習

理学療法士は、主に歩行や立ち上がりなど、体を動かす機能に関わります。

作業療法士は、着替え、トイレ、入浴、食事、家事など、生活に必要な動作に関わります。

言語聴覚士は、失語症、発音、飲み込み、食事、記憶や注意力などに関わることがあります。

リハビリは、訓練室だけで行うものではありません。

病棟でベッドから起きること、食事を自分で食べること、トイレまで移動すること、着替えをすることも、広い意味ではリハビリの一部です。

そのため、リハビリ病院では、リハビリ専門職だけでなく、医師、看護師、相談員、管理栄養士なども関わりながら、退院後の生活を見据えて支援します。


リハビリ病院のゴールは「退院後の生活」

リハビリ病院のゴールは、入院中に歩ける距離を伸ばすことだけではありません。

大切なのは、退院後にどこで、どのように生活するかです。

自宅に帰るのか、施設に入るのか、介護保険サービスを利用するのか、家族の介助がどれくらい必要なのか。

こうした退院後の生活を見据えながら、リハビリの目標を決めていきます。

たとえば、自宅に帰る場合は、次のようなことが大切になります。

  • ベッドから起き上がれるか
  • トイレまで安全に移動できるか
  • 玄関や家の中の段差を越えられるか
  • 食事を安全に食べられるか
  • 家族の介助量はどれくらいか
  • 介護保険サービスや福祉用具が必要か

リハビリ病院は、身体機能を回復させるだけの場所ではありません。

退院後の生活を整えるために、本人、家族、医療職、リハビリ職、相談員などが一緒に準備していく場所でもあります。

退院後も、外来リハビリ、訪問リハビリ、通所リハビリなどを利用しながら、生活の中でリハビリを続けることがあります。 ただし、医療保険で行うリハビリには病気やけがの種類ごとに標準的算定日数があり、介護保険リハビリへの移行を考えるケースもあります。

退院後のリハビリの期限や、いわゆる150日ルールが気になる方は、リハビリはいつまで保険で受けられる?150日ルール・13単位・介護保険移行を解説も参考にしてください。


リハビリ病院を選ぶときはどうすればいい?

この記事では、リハビリ病院の基本的な役割を中心に解説しています。

実際に転院先を選ぶ段階では、家からの近さだけでなく、リハビリ体制、医師の体制、退院支援の内容なども確認したいところです。

また、令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟について、土曜・休日を含めてリハビリテーションを提供できる体制や、患者数・実績指数のウェブサイト公表なども整理されています。

ただし、施設基準や実績指数の見方は少し専門的です。 転院先を具体的に比較する段階になったら、リハビリ病院の選び方の記事も参考にしてください。 施設基準、リハビリテーション実績指数、診療科・医師体制、リハビリ体制、退院支援など、病院ホームページで確認したいポイントを詳しく解説しています。

また、病院のホームページに診療科目が書かれていても、入院中にどの診療科の医師が主治医として関わるかは病院によって異なります。 「リハビリテーション科」「整形外科」「脳神経外科」などの表記をどう見ればよいか気になる方は、病院の診療体制(医師体制)の記事も参考になります。


よくある質問

リハビリ病院とは何ですか?

リハビリ病院とは、病気やけがの治療後に集中的なリハビリを行い、退院後の生活を整えるための病院です。 一般的には、回復期リハビリテーション病棟を持つ病院を指すことが多いです。

リハビリ病院には誰でも入院できますか?

誰でも入院できるわけではありません。

回復期リハビリテーション病棟の対象となる病気やけがに該当し、集中的なリハビリが必要と判断された場合に入院を検討します。

最終的には、紹介元の病院と受け入れ先のリハビリ病院が、患者さんの状態を見て判断します。

リハビリ病院の入院期間は何日くらいですか?

病気やけがによって異なります。

制度上の算定上限日数としては、60日、90日、150日、180日などがあります。

ただし、これはあくまで制度上の上限です。 実際の入院期間は、患者さんの状態、リハビリの進み具合、退院先の準備状況、病院の判断によって変わります。

リハビリ病院は介護施設ですか?

リハビリ病院は、介護施設ではありません。

回復期リハビリテーション病棟への入院は、基本的に医療保険による入院です。

一方、介護老人保健施設などは介護保険の施設です。 どちらもリハビリに関わることがありますが、目的や制度が異なります。

リハビリ病院は、病気やけがの治療後に医学的な管理を受けながら、集中的にリハビリを行う場所です。

自宅に帰れないとリハビリ病院には入院できませんか?

リハビリ病院では、自宅復帰を目指すケースが多いです。

ただし、患者さんの状態や家族の状況によっては、施設入所や別の医療機関への転院を考えることもあります。

最初から「自宅に帰るのは難しそう」と感じる場合でも、まずは主治医や医療相談員に相談してください。

本人の状態、家族の介護力、住まいの環境、利用できる介護サービスなどを踏まえて、退院先を一緒に考えていくことが大切です。


まとめ|リハビリ病院は「生活を取り戻すための病院」

リハビリ病院は、病気やけがの治療が落ち着いたあとに、集中的なリハビリを行い、退院後の生活を整えるための病院です。

一般的に「リハビリ病院」と呼ばれる病院の多くは、回復期リハビリテーション病棟を持つ病院です。

特に、脳血管疾患、大腿骨などの骨折、廃用症候群、股関節や膝関節の手術後、急性心筋梗塞などでは、急性期病院からリハビリ病院への転院を検討することがあります。

ただし、回復期リハビリテーション病棟には、入院できる病気やけが、制度上の算定上限日数が決められています。

希望すれば誰でも入院できるわけではなく、患者さんの状態、リハビリの必要性、退院後の見通しなどを踏まえて判断されます。

転院の話が出たら、まずは現在入院している病院の主治医や医療相談員に相談してみましょう。

そして、転院先を比較する段階になったら、施設基準、実績指数、医師体制、退院支援の内容なども確認していくと安心です。


あわせて読みたい関連記事


執筆者プロフィール

トントン|病院事務長/医療系国家資格保有

病院事務長として医療機関の運営に関わりながら、医療制度、入退院支援、医療費制度、リハビリ病院の仕組みなどを患者さん・ご家族向けに発信しています。

医療制度は専門用語が多く、患者さんやご家族にとってわかりにくい部分が少なくありません。 このサイトでは、医療現場の視点をもとに、「結局どう考えればいいのか」がわかるように、できるだけやさしい言葉で解説しています。


参考資料

Verified by MonsterInsights
タイトルとURLをコピーしました