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身体障害がある状態で転職を考えるとき、求人票の給与や仕事内容だけを見ても、本当に働き続けられる職場かどうかは分かりにくいものです。
通勤経路、職場内の段差、エレベーター、トイレ、休憩場所、通院への配慮、在宅勤務の可否など、実際に働き始めてから困りやすいポイントがあります。
この記事では、医療系国家資格保有者・病院事務長として医療・介護・福祉の現場に関わる立場から、身体障害のある方が転職前に確認しておきたいことを整理します。
必要な配慮や利用できる支援は、障害の状態、障害者手帳の有無、通院状況、地域、求人内容によって異なります。具体的な転職活動や配慮事項については、ハローワーク、転職支援サービス、主治医、支援機関などにも相談してください。
- 結論|身体障害者の転職は「仕事内容」と「職場環境」の両方を見る
- 身体障害者の転職で確認すべきこと一覧
- 身体障害といっても必要な配慮は人によって違う
- 障害の状態別に確認したい配慮事項
- 身体障害者が求人票で見るべきポイント
- 職場見学できるなら確認したいこと
- 面接で配慮事項をどう伝えるか
- 採用側が確認したいこと
- 身体障害者が転職支援サービスを使うメリット
- 身体障害に特化した転職支援サービスという選択肢
- 身体障害者の転職で注意したいこと
- 身体障害者の転職前チェックリスト
- 障害者雇用・就労支援の全体像を知りたい方へ
- よくある質問
- 障害者雇用・就労支援であわせて読みたい記事
- まとめ|身体障害者の転職は、職場環境と配慮事項を具体的に確認しよう
結論|身体障害者の転職は「仕事内容」と「職場環境」の両方を見る
身体障害者の転職では、給与や職種だけで転職先を決めないことが大切です。
もちろん、仕事内容や給与、休日、雇用形態は重要です。ただし身体障害がある場合は、それに加えて、通勤できるか、職場内を移動できるか、トイレを使いやすいか、休憩できる場所があるか、通院への配慮を相談できるかといった「職場環境」も働き続けやすさに大きく関わります。
求人票だけでは、職場内の段差やトイレの場所、実際の移動量までは分かりません。そのため、面接や職場見学の場で確認することが大切です。
採用側としても、障害名だけで判断したいわけではありません。実際にどの業務ができるのか、どの業務は難しいのか、どのような配慮があれば安定して働けるのかを確認したいと考えます。
そのため、転職前には「できること」「難しいこと」「必要な配慮」を整理しておくと、企業側ともすり合わせしやすくなります。
身体障害者の転職で確認すべきこと一覧
身体障害のある方が転職するときは、求人票、面接、職場見学で以下のような項目を確認しておくと安心です。
| 確認項目 | 見るべきポイント | 確認する場面 |
|---|---|---|
| 通勤 | 駅からの距離、段差、混雑、車通勤の可否 | 求人票、面接、職場見学 |
| 建物環境 | エレベーター、階段、出入口、廊下の幅 | 職場見学 |
| トイレ | 多目的トイレの有無、場所、職場からの距離 | 面接、職場見学 |
| 休憩 | 休憩場所、体調不良時の対応 | 面接 |
| 勤務時間 | 時短、時差出勤、残業、通院日への配慮 | 求人票、面接 |
| 仕事内容 | 移動量、立ち仕事、荷物運搬、電話対応など | 求人票、面接 |
| 在宅勤務 | 在宅可否、出社頻度、連絡方法 | 求人票、面接 |
| 配慮事項 | 必要な配慮を伝えられるか | 応募書類、面接 |
| 支援体制 | 相談担当者、上司、産業医、支援機関との連携 | 面接 |
この表をもとに、面接前に「自分は何を確認したいのか」を整理しておくと、聞き漏れを減らしやすくなります。
身体障害といっても必要な配慮は人によって違う
身体障害といっても、必要な配慮は人によって大きく異なります。
同じ障害名であっても、移動のしやすさ、疲れやすさ、通院頻度、使っている補助具、職場で困りやすい場面は違います。そのため、「身体障害者だからこの仕事が向いている」と一律に決めることはできません。
ここでは、身体障害のある方が転職時に確認したいポイントを、状態別に整理します。
肢体不自由がある場合
肢体不自由がある場合は、職場内外の移動が大きな確認ポイントになります。
たとえば、駅から職場までの距離、建物の入口の段差、エレベーターの有無、廊下の幅、トイレの場所、デスク周りの動線などです。車いす、杖、義足、装具などを使用している場合は、実際に職場内で移動できるかを確認しておくとよいでしょう。
また、長時間の立ち仕事、荷物運搬、頻繁な移動、階段の上り下りがある業務では、入職後に負担が大きくなることがあります。
面接では「どのような移動が必要か」「立ち仕事はどのくらいあるか」「荷物を運ぶ業務があるか」を確認しておくと、入職後のミスマッチを減らしやすくなります。
内部障害がある場合
内部障害は、外見から分かりにくい場合があります。
そのため、周囲から見ると元気そうに見えても、実際には疲れやすさ、体調変動、定期通院、服薬、休憩の必要性などがあることもあります。
転職時には、勤務時間、残業の有無、通院頻度、急な体調変化への対応、休憩の取りやすさ、在宅勤務の可否などを確認しておくとよいでしょう。
体調や勤務可能時間については、自己判断だけで決めず、必要に応じて主治医や支援機関にも相談してください。
視覚障害がある場合
視覚障害がある場合は、情報の受け取り方や職場内の動線を確認することが大切です。
画面読み上げソフト、拡大表示、書類データの形式、社内システムの使いやすさ、職場内の危険箇所、照明、通勤経路などが確認ポイントになります。
また、紙の資料が多い職場なのか、データで共有される職場なのかによって、働きやすさが変わる場合もあります。
面接では、使用するパソコン環境、社内システム、資料共有の方法、業務上必要な確認作業について質問しておくとよいでしょう。
聴覚障害がある場合
聴覚障害がある場合は、会議や電話対応、緊急時の情報共有方法が重要です。
たとえば、会議での発言内容をどのように共有するか、チャットやメールでの連絡が可能か、電話対応が必須か、緊急時の連絡を音以外で受け取れるかなどを確認しておきましょう。
電話対応が難しい場合でも、メール、チャット、文字起こしツール、筆談などで対応できる業務もあります。
「電話は難しいですが、メールやチャットであれば対応できます」のように、難しいことだけでなく、代わりにできる方法も伝えられるとすり合わせしやすくなります。
複数の障害や体調変動がある場合
複数の障害がある場合や、日によって体調が変わりやすい場合は、障害名よりも「実際に困る場面」を整理することが大切です。
たとえば、朝の通勤が難しい、長時間連続で働くと疲れやすい、急な体調不良がある、通院日が決まっている、立ち仕事が難しいなどです。
企業側も、具体的な困りごとが分かると、どのような配慮が可能か考えやすくなります。
障害の状態別に確認したい配慮事項
| 状態 | 確認したいこと |
|---|---|
| 肢体不自由 | 段差、階段、トイレ、移動距離、デスク周りの動線 |
| 内部障害 | 通院、疲労、休憩、勤務時間、在宅勤務 |
| 視覚障害 | 画面読み上げ、書類形式、職場内動線、照明 |
| 聴覚障害 | 会議、電話対応、文字情報、緊急時連絡 |
| 体調変動がある場合 | 勤務時間、休憩、連絡方法、業務量 |
身体障害者が求人票で見るべきポイント
求人票を見るときは、給与や休日だけでなく、実際に働いたときの負担を想像しながら確認しましょう。
特に身体障害のある方は、以下のような項目を確認しておくとよいです。
- 仕事内容に身体的な負担が多くないか
- 立ち仕事や移動の多い業務ではないか
- 荷物を運ぶ業務があるか
- 電話対応や来客対応が必須か
- 勤務時間や残業は無理のない範囲か
- 時短勤務や時差出勤の相談ができるか
- 在宅勤務やハイブリッド勤務が可能か
- 通勤手段や勤務地が現実的か
- 転勤や部署異動の可能性があるか
- 配慮事項について相談できる窓口があるか
求人票だけでは、職場のバリアフリー状況や実際の業務負担までは分かりにくいことがあります。気になる点は、面接や職場見学で確認しましょう。
求人票全体の見方を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。医療職向けの記事ですが、求人票で確認すべき基本的な考え方は、障害者雇用の転職でも参考になります。
医療職の求人票の見方|病院事務長がミスマッチを防ぐチェック項目を解説
職場見学できるなら確認したいこと
身体障害がある方の転職では、可能であれば職場見学を相談してみるのも選択肢です。
もちろん、すべての企業で職場見学ができるわけではありません。ただ、職場環境に不安がある場合は、見学できるか確認してみる価値があります。
職場見学では、以下のような点を確認しましょう。
- 最寄駅から職場までの移動距離
- 入口の段差
- エレベーターの有無
- 廊下や執務スペースの幅
- トイレの場所と使いやすさ
- 休憩場所
- 会議室への移動
- 昼食場所
- 災害時の避難経路
- 実際に働く席や作業場所
- 業務中の移動量
職場見学で確認することは、わがままではありません。入職後に無理なく働けるかを確認するための大切な準備です。
面接で配慮事項をどう伝えるか
面接で配慮事項を伝えるときは、「できないこと」だけを並べるよりも、「どのような配慮があれば働きやすいか」を具体的に伝えることが大切です。
採用側は、障害名だけでは具体的な職場環境を想像しにくいことがあります。
たとえば、「身体障害があります」だけではなく、「階段移動が多い環境は難しいため、エレベーターの利用が必要です」「月1回の通院があるため、事前に勤務調整できると助かります」のように伝えると、企業側も検討しやすくなります。
| 伝えたいこと | 伝え方の例 |
|---|---|
| 通院 | 月1回の通院があるため、事前に勤務調整を相談したいです。 |
| 移動 | 階段移動が多い環境は難しいため、エレベーター利用が必要です。 |
| 休憩 | 長時間連続勤務より、短い休憩を挟む方が安定して働きやすいです。 |
| 電話対応 | 電話対応は難しい場面がありますが、メールやチャット対応は可能です。 |
| 立ち仕事 | 長時間の立ち仕事は難しいですが、座って行う業務は対応できます。 |
配慮事項を伝えることは、採用側に負担を押し付けることではありません。働き始めてからミスマッチを起こさないためのすり合わせです。
転職面接で聞かれること全体を確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。医療職向けの記事ですが、面接での考え方や退職理由・志望動機の整理は、転職活動全般に役立ちます。
医療職の転職面接で聞かれること|病院事務長が採用側の確認ポイントを解説
採用側が確認したいこと
採用側は、障害名だけを見ているわけではありません。
大切なのは、応募者の希望や能力と、実際の業務内容が合うかどうかです。
採用側が確認したいのは、主に次のようなことです。
- どの業務ができるか
- どの業務が難しいか
- どのような配慮が必要か
- 通勤は無理なくできるか
- 勤務時間は合っているか
- 体調変動時の連絡方法はどうするか
- 職場側が準備できることは何か
- 職場側だけでは対応が難しいことは何か
- 配属先との相性はどうか
採用側は、できないことを責めたいのではなく、入職後に無理なく働ける環境をすり合わせたいと考えます。
そのため、「何が難しいか」だけでなく、「どうすれば働けるか」を伝えることが大切です。
身体障害者が転職支援サービスを使うメリット
身体障害のある方が転職活動を進めるとき、一人で求人票を見て判断するのが不安なこともあると思います。
そのような場合は、障害者向けの転職支援サービスを使うのも選択肢です。
転職支援サービスを使うメリットには、以下があります。
- 求人票だけでは分からない職場環境を確認しやすい
- 面接で配慮事項をどう伝えるか相談できる場合がある
- 履歴書・職務経歴書の作成を相談できる
- 企業との条件確認をサポートしてもらえる場合がある
- 身体障害への理解がある担当者に相談できる可能性がある
- 一人で転職活動を進める不安を減らせる
ただし、転職支援サービスを使えば必ず転職できるわけではありません。サービスごとに対象者、地域、支援内容、利用条件が異なります。
自分の状態や希望に合うかを確認しながら利用しましょう。
身体障害に特化した転職支援サービスという選択肢
障害者向けの転職支援サービスは複数ありますが、その中には身体障害に特化した就職・転職支援サービスもあります。
身体障害に特化したサービスでは、通勤、職場環境、トイレ、階段、休憩場所、通院配慮など、身体障害のある方が転職で確認したいポイントを相談しやすい場合があります。
また、担当者自身が身体障害の当事者であることを特徴としているサービスもあります。ただし、「当事者だから必ず理解してもらえる」と断定するのではなく、自分の希望や配慮事項を具体的に伝えながら相談することが大切です。
身体障害があり、職場環境や配慮事項を相談しながら転職活動を進めたい方は、身体障害に特化した転職支援サービスも選択肢になります。
求人票だけでは分からない通勤・職場環境・配慮事項について、一人で抱え込まず相談しながら進めたい方は、公式ページで対象条件を確認してみてください。
身体障害に特化した転職支援サービスを確認する

なお、まだ転職意思がはっきりしていない方や、まず情報収集から始めたい方は、ハローワークの障害者相談窓口や地域の就労支援機関に相談する方法もあります。
身体障害者の転職で注意したいこと
身体障害のある方が転職するときは、次のような点に注意してください。
- 給与だけで選ばない
- 在宅勤務可だけで判断しない
- 通勤経路を軽く見ない
- 職場見学をせずに決めない
- 必要な配慮を曖昧にしたまま応募しない
- できないことを隠しすぎない
- できることまで狭く考えすぎない
- 転職エージェント任せにしすぎない
- 家族や支援者の意見だけで決めない
- 体調や通院との両立を無理に考えない
転職では、「何とかなるだろう」と思って入職したあとに、通勤や職場環境で苦しくなることがあります。
一方で、「身体障害があるからこの仕事は無理」と最初から選択肢を狭めすぎてしまうこともあります。
大切なのは、自分に必要な配慮を整理したうえで、職場とすり合わせることです。
身体障害者の転職前チェックリスト
転職活動を始める前に、以下を確認しておきましょう。
- 通勤経路を確認した
- 駅から職場までの距離を確認した
- エレベーターや階段の有無を確認した
- トイレの場所や使いやすさを確認した
- 職場内の移動量を確認した
- 仕事内容の身体的負担を確認した
- 通院頻度を整理した
- 必要な配慮事項を言語化した
- できる業務と難しい業務を分けた
- 面接で伝える内容を準備した
- 職場見学できるか確認した
- 在宅勤務や時差出勤の可否を確認した
- 休憩や体調不良時の対応を確認した
- 転職支援サービスに相談するか検討した
- 家族や支援者にも相談した
障害者雇用・就労支援の全体像を知りたい方へ
身体障害者の転職では、職場環境や配慮事項の確認が大切です。
一方で、障害者雇用、一般雇用、オープン就労、クローズ就労、転職エージェント、就労移行支援、自立訓練など、働き方や支援サービスの全体像を知っておくことも役立ちます。
障害者雇用・就労支援の全体像を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
障害者雇用・就労支援の完全ガイド|働き方・支援サービス・相談先を病院事務長が解説
よくある質問
Q1:身体障害者の転職では何を確認すべきですか?
仕事内容だけでなく、通勤、職場環境、トイレ、階段、休憩場所、通院配慮、在宅勤務の可否などを確認しましょう。
Q2:身体障害者は障害者雇用で応募した方がいいですか?
一概には言えません。必要な配慮、仕事内容、希望する働き方、体調、通院状況によって変わります。障害を開示して働くか、開示せずに働くかも含めて考える必要があります。
Q3:面接で配慮事項をどこまで伝えるべきですか?
働くうえで必要な配慮は、できるだけ具体的に伝えた方がミスマッチを防ぎやすいです。通院、移動、休憩、トイレ、勤務時間などを整理しておきましょう。
Q4:身体障害に特化した転職支援サービスはありますか?
身体障害に特化した就職・転職支援サービスもあります。一般的な障害者向け転職エージェントとあわせて、自分に合う相談先を検討しましょう。
Q5:職場見学はお願いしてもよいですか?
必ずできるとは限りませんが、職場環境に不安がある場合は相談してみる価値があります。トイレ、動線、階段、休憩場所などを確認できる場合があります。
Q6:在宅勤務ができる求人なら身体障害があっても働きやすいですか?
在宅勤務は選択肢になりますが、仕事内容、出社頻度、連絡方法、勤務時間なども確認が必要です。在宅勤務可だけで判断しないようにしましょう。
Q7:通院がある場合、面接で伝えるべきですか?
勤務に影響する通院がある場合は、必要な範囲で伝えた方が調整しやすい場合があります。頻度や曜日、調整可能性を整理しておきましょう。
Q8:転職支援サービスを使えば必ず転職できますか?
必ず転職できるわけではありません。ただし、求人選び、書類作成、面接での配慮事項の伝え方などを相談できる場合があります。
Q9:障害者手帳がないと転職支援は使えませんか?
サービスによって異なります。障害者手帳が必要なサービスもあるため、各サービスの対象条件を確認してください。
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まとめ|身体障害者の転職は、職場環境と配慮事項を具体的に確認しよう
身体障害者の転職では、仕事内容だけでなく、職場環境の確認がとても大切です。
通勤、トイレ、階段、休憩場所、通院配慮、勤務時間、在宅勤務の可否などは、入職後の働きやすさに直結します。
また、身体障害といっても必要な配慮は人によって違います。面接では、できる業務と難しい業務、必要な配慮を具体的に伝えることが大切です。
採用側は、障害名だけでなく、業務内容と配慮事項のすり合わせを見ています。できないことを隠しすぎる必要はありませんが、できることまで狭く考えすぎる必要もありません。
求人票だけでは分からない職場環境や配慮事項を一人で確認するのが不安な場合は、身体障害に理解のある転職支援サービスも選択肢になります。
身体障害があり、職場環境や配慮事項を相談しながら転職活動を進めたい方は、身体障害に特化した転職支援サービスも確認してみてください。
身体障害に特化した転職支援サービスを確認する



