こんにちは トントンです。
今回は、株式投資でよく使われる「セクター分析」について解説します。
いくら企業の決算が良くても、その業界自体が縮小していたら成長は鈍化しやすくなります。
逆に、業界が活性化していれば、多少業績に不安がある企業でも上昇の波に乗ることがあります。
つまり、セクター(業種)を読むことは、投資の“地盤”を固めるようなものです。
🔍 セクター分析とは?
セクター分析とは、企業が属する業種・業界全体の成長性・安定性・収益構造を見極める分析手法です。
✔ どのセクターが今“買われている”のか?
✔ その業界の構造は追い風か、向かい風か?
✔ 業界全体の中で、今は攻め時か守り時か?
という「市場の流れ」に注目することで、個別銘柄の浮き沈みもより明確に見えてきます。
📘 セクター分析に使える指標・計算式・判断の目安
指標名 | 内容・計算式 | 判断基準(カットオフ) |
---|---|---|
業界平均成長率 | 各企業の売上成長率から平均を算出 | 3%以上で成長産業と判断 |
ROA(業界平均) | 業界全体の収益性(利益÷総資産) | 5%以上で資本効率が良好 |
PER(業界平均) | 業界全体の割安度 | 15倍以下なら割安/25倍超は過熱 |
EPSの加重平均成長率 | 利益成長トレンドの継続性 | 過去3年で+10%以上が目安 |
業界シェア上位3社の集中率 | 寡占or分散型かを判断 | 70%以上:寡占/30%以下:分散競争激化 |
※データは「業界新聞」「証券会社レポート」「QUICK」「バフェットコード」などから取得可能です。
🏢 架空の企業を使ったセクター分析例(3パターン)
● 有望企業|メディクラウド(MDC)
- セクター:クラウド医療システム
- 業界成長率:年+6.8%
- 業界ROA:9.2%
- EPS:3年平均+14%
- 上位3社シェア:85%
- MDCの位置づけ:シェア2位、営業利益率17%
🔎 考察: 高収益&寡占業界で、政策・DXトレンドの追い風も強い。中長期で安定成長を期待できる優良セクター×企業。
● 様子見企業|トリップモーション(TMP)
- セクター:訪日観光向け体験予約サービス
- 業界成長率:年+3.1%
- 業界ROA:3.5%
- EPS:赤字縮小中
- 上位シェア:上位5社で60%
- TMPの位置づけ:中堅、口コミ評価は高いが営業赤字
🔎 考察: 市場は伸びているが競争激化中。価格競争が起きやすく、利益が定着するまで様子見が妥当。
● 投資非推奨企業|ミラクルエナジー(MLE)
- セクター:水素関連(テーマ株)
- 業界成長率:名目は+8%だが実需は不明瞭
- 業界ROA:1%未満
- PER:100倍超(過熱)
- EPS:2年連続マイナス
- シェア構造:新興ベンチャー乱立で散漫
🔎 考察: ストーリー先行で、実態が伴っていない典型例。セクター全体がまだ“構造不安定”なため、投資判断は慎重に。
✅ まとめ:セクターを読めば「上がる理由」が見えてくる
セクター分析は、個別銘柄の浮き沈みを“業界の構造”という視点から支える補助線のようなものです。
- 成長セクターを狙うのか
- 安定セクターで守るのか
- 寡占セクターで王者に乗るのか
目的に応じて使い分けることで、よりロジカルで納得感のある投資判断ができるようになります。