■ なぜこの記事を書いたのか
私たちの病院は救命救急を専門とする医療機関ではありません。
しかし、当直の際に「どこに相談したらいいのか分からなくて…」と、悲痛な声でお電話をいただくことが何度もありました。
咳が続く、子どもの発熱、急なめまいや腹痛。
そんな時、「今すぐ病院に行くべきか」「何科にかかればいいのか」がわからず、不安なまま助けを求めてくる方がたくさんいらっしゃいます。
この記事では、厚生労働省や東京都などの公的情報をもとに、受診の目安・診療科の目安・全国の相談窓口をわかりやすくまとめました。
さらに、信頼できる医療情報サービスも紹介しています。
「迷ったとき、どうすればいいか」の一助となれば幸いです。
■ 病院に行くべきか迷ったときの判断基準
以下は東京都福祉保健局・厚生労働省の情報をもとにした、受診の目安です。
- 38.5度以上の高熱が数日続く
- 意識がもうろうとしている/呼びかけに反応しない
- 呼吸困難や胸の痛みがある
- 嘔吐や下痢が止まらない
- めまいがひどく立てない/転倒する
- 大量出血や出血が止まらない
出典:
東京都福祉保健局「救急相談センター」
厚生労働省「救急医療の適正利用」
■ 症状別・受診すべき診療科の目安
何科に行けばよいか迷ったときの参考に、以下のような対応診療科があります。
症状 | 診療科の目安 |
---|---|
咳・のどの痛み・発熱 | 内科、耳鼻咽喉科 |
鼻水・花粉症 | 耳鼻咽喉科、アレルギー科 |
めまい・ふらつき | 耳鼻咽喉科、神経内科 |
腹痛・下痢・便秘 | 消化器内科 |
腰痛・関節痛 | 整形外科 |
湿疹・かゆみ | 皮膚科 |
頭痛・しびれ | 神経内科、脳神経外科 |
不眠・気分の落ち込み | 心療内科、精神科 |
排尿トラブル | 泌尿器科 |
子どもの体調不良 | 小児科 |
妊娠や女性の体調不良 | 産婦人科 |
出典:
厚生労働省 医療情報ネット
東京都「ひまわり」医療機関案内サービス
■ 迷ったときの相談先(#7119/#8000)
#7119(救急安心センター)
- 看護師などが救急搬送の要否や受診の必要性を電話でアドバイス
- エリア:東京・大阪・名古屋・札幌・福岡など(地域によって異なります)
- 電話:#7119
#8000(小児救急電話相談)
- 夜間や休日に子どもの急病について、小児科医師・看護師が相談に対応
- 全国の都道府県で実施
- 電話:#8000
■ 症状チェックや相談に役立つサービス
体調の変化に不安を感じたとき、すぐに受診すべきか迷うことは誰にでもあります。
そんなときは、今回紹介した #7119 や #8000 に加えて、以下のような信頼できる医療情報サービスも参考になります。
- Ubie(ユビー)症状チェッカー
質問に答えるだけで、関連する病気や受診科、緊急度がわかります。 - AskDoctors(アスクドクターズ)
医師によるQ&Aが豊富で、過去の相談事例も参考になります。 - Medical Note(メディカルノート)
専門医監修の疾患情報がわかりやすくまとめられています。
■ まとめ:ひとりで悩まず、相談を
不調を感じたときに大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。
今は電話相談・症状チェック・信頼できる医療情報など、さまざまな手段があります。
「この程度で病院に行っていいのかな?」とためらうより、正しい知識と相談先を知って、必要な医療につながる判断をしていきましょう。
※本記事は厚生労働省・都道府県・医療機関が発信する公的情報をもとに、一般の方向けに編集しています。
最終的な判断は医師または公的相談窓口にご相談ください。