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入院中の洗濯はどうする?リース・自前洗濯・洗濯代行を比較|生活保護の場合も解説

医療・介護情報

入院中の洗濯は、意外と見落とされやすい問題です。

短期入院なら数日分の着替えで済むこともありますが、入院が長引くと、パジャマ、下着、タオル、靴下、汚れ物の受け渡しなど、患者さん本人にも家族にも負担が出てきます。

特に、家族が遠方に住んでいる場合、一人暮らしの方が入院する場合、リハビリ病院や療養型病院などで長期入院になる場合は、早めに洗濯方法を決めておくことが大切です。

この記事では、入院中の洗濯をどうすればよいか、病衣・タオルのリース、自前洗濯、家族の持ち帰り、洗濯代行の違いを比較しながら、生活保護を受けている方の場合の注意点まで、病院事務長目線でわかりやすく解説します。

この記事を書いた人:トントン

医療系国家資格保有者。現在は病院事務長として、入院費、病棟運営、転院調整、患者さん・ご家族からの相談対応など、医療現場の実務に関わっています。

本記事では、制度上のルールだけでなく、入院中の洗濯・リース・洗濯代行といった生活面の困りごとについても、病院窓口や病棟で確認すべきポイントがわかるように、現場目線で解説しています。

この記事は、2026年時点で確認できる公的情報、病院の公開情報、入院セット事業者の公開情報をもとにした一般的な解説です。実際の料金や対応は、医療機関、地域、契約業者、福祉事務所の判断によって異なります。最終的には、入院先の病院や担当ケースワーカーに確認してください。

  1. この記事でわかること
  2. 結論|入院中の洗濯は「病院ごとに違う」ので最初に確認する
  3. 入院中の洗濯は主に4パターン
  4. まず病院に確認したいこと
  5. 病衣・タオルのリース、入院セットを使う場合
    1. リース・入院セットのメリット
    2. リース・入院セットの注意点
  6. 自分で洗濯する場合
  7. 家族が持ち帰って洗う場合
  8. 洗濯代行・私物クリーニングを使う場合
  9. 家族が遠方・一人暮らし・身寄りがない場合
  10. 生活保護を受けている方の場合
    1. 入院患者日用品費とは
    2. 生活保護の場合、入院セットは無料になる?
    3. 寝巻やおむつが必要な場合
  11. 高額療養費で洗濯代や入院セット代は戻ってくる?
  12. 入院中の洗濯で失敗しないための準備
    1. 衣類には名前を書く
    2. 下着は多めに用意する
    3. 乾きやすい素材を選ぶ
    4. 汚れ物を入れる袋を用意する
    5. 病院のルールを確認する
  13. どの方法を選べばいい?状況別の目安
  14. 病院に聞くときの例文
    1. 病衣・タオルのリースを確認したいとき
    2. 下着の洗濯について確認したいとき
    3. 家族が遠方で通えないとき
    4. 費用が心配なとき
    5. 生活保護を受けているとき
    6. おむつが必要なとき
  15. よくある質問
    1. Q1. 入院中の洗濯は看護師さんに頼めますか?
    2. Q2. 病衣をレンタルすれば、洗濯物はなくなりますか?
    3. Q3. 入院セットは高額療養費の対象になりますか?
    4. Q4. 生活保護を受けている場合、入院セットは無料ですか?
    5. Q5. 生活保護で、おむつ代やおむつの洗濯代は出ますか?
    6. Q6. 家族が遠方で洗濯物を取りに行けない場合はどうすればいいですか?
    7. Q7. 洗濯代行ではどんな服でも洗ってもらえますか?
  16. あわせて読みたい関連記事
  17. まとめ|入院中の洗濯は「病院ごとの差」を確認しよう
  18. 参考資料

この記事でわかること

  • 入院中の洗濯方法の種類
  • 病衣・タオルリース、入院セットのメリットと注意点
  • 自分で洗濯する場合、家族が持ち帰る場合のポイント
  • 洗濯代行・私物クリーニングを使うときの確認事項
  • 家族が遠方、一人暮らし、身寄りがない場合の相談先
  • 生活保護を受けている方の入院セット・洗濯代・おむつ代の考え方
  • 高額療養費で洗濯代や入院セット代が戻るのか

結論|入院中の洗濯は「病院ごとに違う」ので最初に確認する

入院中の洗濯方法は、主に次の4つです。

  • 病衣・タオルなどのリース、入院セットを使う
  • 病院内の洗濯機・乾燥機で自分で洗う
  • 家族が持ち帰って洗う
  • 病院や委託業者の洗濯代行を使う

どれが一番よいかは、入院期間、患者さんの状態、家族の距離、病院の設備、費用負担によって変わります。

大事なのは、「病院が全部やってくれる」と考えるのではなく、その病院でどの選択肢が使えるのかを最初に確認することです。

病院によっては、院内にコインランドリーがある場合もあります。病衣やタオルのレンタルセットを用意している場合もあります。逆に、洗濯物は家族が持ち帰ることを前提にしている病院もあります。

たとえば、鏡野町国民健康保険病院では、洗濯機150円、乾燥機100円、私物クリーニングは1kgあたり715円、レンタル寝衣などが案内されています。病院ごとに洗濯・クリーニング・レンタルの仕組みが違うことがわかります。参考:鏡野町国民健康保険病院「入院案内 洗濯、クリーニング、寝衣レンタルについて」

入院中の洗濯は主に4パターン

入院中の洗濯方法を比較すると、次のようになります。

方法向いている人メリット注意点
病衣・タオルのリース、入院セット家族の負担を減らしたい人、長期入院の人洗濯物が減る。荷物が少なくて済む。日額料金がかかる。下着は対象外の場合がある。
自分で洗濯する自分で動ける人、短期入院の人費用を抑えやすい。洗濯機の有無、乾燥機、小銭、洗剤が必要。
家族が持ち帰って洗う家族が近くに住んでいる人普段の衣類を使える。費用を抑えやすい。家族の負担が大きい。
洗濯代行・私物クリーニング一人暮らし、家族が遠方、長期入院の人本人・家族の手間が減る。回収日、納品日、料金、対象衣類の確認が必要。

短期入院であれば、3〜5日分の下着や着替えを用意すれば足りることもあります。

一方で、リハビリ病院や療養型病院などで入院が長くなる場合は、家族が毎回洗濯物を取りに行くのはかなり大変です。

その場合は、病衣・タオルリースや洗濯代行をうまく使った方が、患者さんにも家族にも負担が少ないことがあります。

まず病院に確認したいこと

入院中の洗濯については、入院前または入院時に、病院へ次のことを確認しておくと安心です。

確認すること聞き方の例
病院内に洗濯機・乾燥機があるか病棟や院内に洗濯機・乾燥機はありますか?
洗濯機の料金洗濯機や乾燥機の料金はいくらですか?
洗剤は必要か洗剤は持参ですか?自動投入ですか?
小銭やテレビカードが必要か支払いは現金ですか?テレビカードですか?
病室で干せるか病室内で洗濯物を干してもよいですか?
病衣・タオルのリースがあるか病衣やタオルのレンタルセットはありますか?
私物洗濯代行があるか下着や私服の洗濯代行は利用できますか?
回収日・返却日洗濯代行は何曜日に回収・返却されますか?
支払い先病院の請求ですか?業者から別に請求されますか?
生活保護の場合生活保護を受けている場合、入院セットや洗濯代はどう扱われますか?

特に大事なのは、支払い先です。

入院セットや洗濯代行は、病院の入院費とは別に、委託業者から請求されることがあります。

「入院費に含まれていると思っていたら、あとから別の請求書が届いた」ということもあるため、最初に確認しておきましょう。

なお、入院中にかかる保険外費用は、洗濯代や入院セット代だけではありません。個室代・差額ベッド代・食事代・文書料など、医療費とは別にかかる費用もあります。

特に個室代や差額ベッド代について不安がある方は、あわせて「差額ベッド代は払わなくていい?同意書・個室代・大部屋満室の確認ポイント」も参考にしてください。

病衣・タオルのリース、入院セットを使う場合

最近は、病衣、タオル、日用品、おむつなどをセットでレンタルできる「入院セット」を導入している病院が増えています。

病院によって呼び方は違います。

  • 入院セット
  • CSセット
  • アメニティセット
  • 病衣レンタル
  • リースセット
  • 寝衣・タオルセット

内容も病院によって違いますが、一般的には、病衣、パジャマ、バスタオル、フェイスタオル、ティッシュ、歯ブラシ、コップ、口腔ケア用品、おむつ類などが含まれることがあります。

リース・入院セットのメリット

リースや入院セットのメリットは、何よりも洗濯物が減ることです。

家族が頻繁に病院へ行けない場合、パジャマやタオルを持ち帰って洗い、また届けるだけでも大きな負担になります。

入院セットを使えば、病衣やタオルは病院や業者側で交換・洗濯されるため、家族の負担を減らせます。

急な入院でも、最低限の衣類や日用品を準備しやすいのもメリットです。

リース・入院セットの注意点

一方で、注意点もあります。

多くの場合、入院セットは1日あたりいくらという日額制です。

着た日だけ、使った日だけ請求されるとは限りません。契約期間中は、実際にどれだけ使ったかにかかわらず料金が発生する場合があります。

また、病衣やタオルは含まれていても、下着や靴下までは含まれないことがあります。

入院セットを申し込めば、洗濯の悩みがすべて解決するわけではありません。

特に確認したいのは、次の点です。

  • 病衣は含まれるか
  • タオルは含まれるか
  • 下着や靴下は含まれるか
  • おむつは別セットか
  • 日額料金はいくらか
  • 退院日も料金がかかるか
  • 請求は病院からか、業者からか
  • 途中で解約できるか

入院セットはとても便利ですが、医療費とは別の保険外費用として扱われることが多いです。申し込む前に、内容と料金、支払い先を確認しましょう。

自分で洗濯する場合

患者さん本人が動ける場合は、病院内の洗濯機や乾燥機を使って、自分で洗濯できることがあります。

この方法は、費用を抑えやすいのがメリットです。

ただし、入院中は体調が安定しないこともあります。

入院前は「自分で洗濯できる」と思っていても、実際には点滴、酸素、リハビリ、検査、痛み、転倒リスクなどで、洗濯機の場所まで行くのが大変な場合があります。

自分で洗濯する場合は、次のものを用意しておくと便利です。

  • 小銭
  • 洗剤
  • 洗濯ネット
  • ビニール袋
  • エコバッグ
  • S字フック
  • 名前を書いた衣類
  • 速乾性の下着や肌着

病院によっては洗剤が自動投入の場合もありますが、持参が必要な場合もあります。

また、病室内で洗濯物を干せるかどうかは病院のルールによります。

カーテンレールやベッド柵に無理に干すと、転倒や設備破損のリスクになることもあります。「少しなら大丈夫だろう」と自己判断せず、病棟スタッフに確認しましょう。

家族が持ち帰って洗う場合

家族が近くに住んでいる場合は、洗濯物を持ち帰って自宅で洗う方法もあります。

昔ながらの方法ですが、今でも多くの家庭で行われています。

メリットは、患者さんが普段から使っている衣類を使えることです。

また、入院セットや洗濯代行の費用を抑えられる場合もあります。

一方で、家族の負担は大きくなります。

特に、次のような場合は注意が必要です。

  • 家族が仕事をしている
  • 病院が遠い
  • 面会時間が限られている
  • 洗濯物の受け渡し時間が決まっている
  • 感染対策で面会制限がある
  • 入院が長期化しそう

洗濯物の受け渡しは、病棟ごとにルールがあることがあります。

病棟の入口で受け渡しをするのか、ナースステーションへ預けるのか、面会時に直接渡せるのかは、病院によって違います。

家族が持ち帰って洗う場合でも、最初に病院へ確認しておきましょう。

洗濯代行・私物クリーニングを使う場合

家族が遠方に住んでいる場合、一人暮らしの方が入院する場合、入院が長引く場合は、洗濯代行や私物クリーニングを利用できることがあります。

病院によっては、委託業者が定期的に病棟から洗濯物を回収し、洗濯後に病棟へ届けてくれます。

料金は病院や業者によって異なります。

たとえば、荒尾中央病院では、洗濯サービスについて、定額で1か月4,340円、月途中の入院・退院では1日140円の日割り、委託業者による集配は火曜・木曜・土曜の週3回と案内されています。参考:荒尾中央病院「その他の料金」

洗濯代行を使う場合は、次の点を確認しましょう。

確認すること理由
料金月額制、日額制、重量制、ネット単位など病院により違うため
回収日毎日回収ではないことがあるため
返却日洗濯物が戻るまで数日かかることがあるため
対象衣類水洗いできない衣類は対象外の場合があるため
名前記入紛失・取り違え防止のため
下着の扱い対象になるか病院・業者により違うため
支払い先病院請求か業者請求か確認するため

特に大事なのは、衣類への名前記入です。

病院や施設では、多くの患者さんの衣類を扱います。

名前が書かれていないと、紛失や取り違えの原因になります。

洗濯代行を使う場合は、パジャマ、肌着、下着、靴下、タオルなどに、必ず名前を書いておきましょう。

家族が遠方・一人暮らし・身寄りがない場合

家族が遠方に住んでいる場合や、一人暮らしの方が入院する場合は、洗濯物の問題がかなり切実になります。

この場合、無理にすべてを家族だけで抱え込む必要はありません。

まず相談したいのは、病院の次の窓口です。

  • 入退院支援室
  • 地域連携室
  • 医療相談室
  • 医療ソーシャルワーカー
  • 病棟看護師
  • 病棟クラーク

相談するときは、次のように聞くと話が進みやすいです。

家族が遠方で頻繁に洗濯物を取りに来られません。病衣レンタルや洗濯代行の利用はできますか?

一人暮らしで、入院中の洗濯が難しいです。病院で使えるサービスはありますか?

生活保護を受けています。入院セットや洗濯代について、福祉事務所に確認した方がよいことはありますか?

ここで大事なのは、遠慮しすぎないことです。

病院側も、家族が遠方、一人暮らし、身寄りがない、経済的に不安があるといった事情は珍しくありません。

ただし、病院スタッフが何でも代行できるわけではないため、使える制度やサービスにつなげてもらう、という考え方が大切です。

また、入院が長引く場合や、急性期病院からリハビリ病院・療養型病院へ転院する場合は、洗濯物の対応も長期化しやすくなります。

「入院したばかりなのに転院と言われた」「リハビリ病院に移ると言われた」という場合は、洗濯物だけでなく、転院先の費用、面会、持ち物、家族の通いやすさも確認しておきましょう。転院の基本については「入院したばかりなのに転院と言われたら?理由と家族が確認すべきこと」で詳しく解説しています。

生活保護を受けている方の場合

生活保護を受けている方が入院する場合、医療費そのものと、入院中の日用品・衣類・洗濯代は、分けて考える必要があります。

ここは誤解が起きやすいところです。

たとえば、次のように考えてしまうと、あとで請求書を見て困ることがあります。

  • 生活保護だから、入院中に必要なものは全部無料になる
  • 病院が用意した入院セットなら、必ず公費で払われる
  • 洗濯代も医療費として扱われる

実際には、病衣、タオル、下着、日用品、洗濯代行、入院セットなどは、医療そのものではなく、生活上の費用として扱われることがあります。

そのため、入院セットやリース代、私物洗濯代がどのように扱われるかは、病院、契約業者、福祉事務所の判断を確認する必要があります。

入院患者日用品費とは

厚生労働省の生活保護実施要領等では、病院または診療所に1か月以上入院する人などについて、入院患者日用品費が定められています。

2026年4月1日施行の資料では、入院患者日用品費の基準額は月額23,670円以内とされ、地区別冬季加算や月額1,000円の特例加算も示されています。参考:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」

ただし、これは「入院セット代がそのまま全部出る」という意味ではありません。

生活保護の場合でも、入院セットや洗濯代行が自己負担になる場合があります。申し込み前に、担当ケースワーカーや福祉事務所へ確認することが大切です。

生活保護の場合、入院セットは無料になる?

入院セットは、病院や委託業者が提供する任意のレンタルサービスとして扱われることがあります。

そのため、生活保護を受けている方でも、入院セットの利用料が必ず無料になるとは限りません。

入院セット業者のFAQでも、衣類やタオルの入院セットは任意でレンタルするサービスであるため支払いが必要としつつ、自治体により見解が異なる場合があるため、受給している自治体に確認するよう案内している例があります。紙おむつセットについては、医療費として認められる場合があるとも案内されています。参考:株式会社トーカイ「入院セット よくある質問」

生活保護を受けている方が入院セットを申し込む前には、次の3か所に確認するのが安全です。

  • 病院の入院窓口
  • 入院セットの委託業者
  • 担当ケースワーカー、福祉事務所

聞き方としては、次のように確認するとよいです。

生活保護を受けています。入院セットを利用した場合、この費用は自己負担になりますか?福祉事務所への確認は必要ですか?

病衣・タオルセットと、おむつセットで扱いは違いますか?

洗濯代行を利用した場合、入院患者日用品費の範囲で考えるものですか?それとも別に相談が必要ですか?

生活保護の場合は、病院だけで判断できないこともあります。

病院に聞くことも大切ですが、最終的には担当ケースワーカーや福祉事務所に確認しましょう。

寝巻やおむつが必要な場合

生活保護では、入院時の寝巻や、おむつに関する取り扱いが示されている場合があります。

厚生労働省の生活保護実施要領等では、入院を必要とする人が入院に際して寝巻またはこれに相当する被服が全くない、または使えない場合は4,900円以内、常時失禁状態にある患者等が紙おむつ等を必要とする場合は月額26,400円以内とされています。

さらに、常時失禁状態にある患者等が布おむつ、貸おむつ、おむつの洗濯代を必要と認められる場合は、その費用を基準額の範囲内で支給してよいとされています。参考:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」

ここで大事なのは、病衣・タオルの入院セットと、おむつ関連の費用は同じ扱いとは限らないということです。

病衣やタオルのレンタルは任意サービスとして扱われることがあります。

一方で、紙おむつやおむつの洗濯代は、本人の状態によって必要性が認められる場合があります。

ただし、実際の支給や認定は個別判断です。

「おむつだから必ず出る」「洗濯代だから必ず出ない」と決めつけず、病院の相談員やケースワーカーに確認しましょう。

入院をきっかけに、障害者手帳、障害年金、退院後の生活、仕事、家族の支援について不安が出てくることもあります。

制度の名前を一度に調べようとすると混乱しやすいため、まず全体像を知りたい方は「障害のある本人・家族におすすめの本|制度・お金・仕事・親なき後を最初に学ぶ」も参考にしてください。本人や家族が、福祉制度・障害年金・手帳・医療費助成・仕事・親なき後を整理するための本をまとめています。

高額療養費で洗濯代や入院セット代は戻ってくる?

一般の健康保険を使って入院している方も、生活保護を受けている方も、ここはよく混乱します。

高額療養費制度は、基本的に保険診療の自己負担額が高額になったときの制度です。

協会けんぽの案内でも、高額療養費について、保険外の診療、食事代、差額ベッド代などは対象外と説明されています。参考:協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」

また、入院セットを提供する事業者のFAQでも、入院セットに含まれる商品は保険外商品のため、高額療養費の対象にならないと案内されています。参考:ワタキューセイモア「入院セット よくある質問」

そのため、病衣、タオル、日用品、洗濯代行、入院セットは、高額療養費の対象にはなりにくいと考えておきましょう。

費用高額療養費の対象になりやすいか
保険診療の自己負担対象になり得る
食事代対象外または別扱い
差額ベッド代原則対象外
病衣・タオル・日用品保険外費用になりやすい
入院セット保険外費用になりやすい
私物洗濯代行保険外費用になりやすい
文書料対象外になりやすい

入院費を考えるときは、医療費だけでなく、こうした生活上の費用も含めて見ておくことが大切です。

入院中の洗濯で失敗しないための準備

衣類には名前を書く

パジャマ、肌着、下着、靴下、タオルには名前を書いておきましょう。

特に、洗濯代行や病棟での保管を利用する場合、名前がないと取り違えの原因になります。

アイロンシールや洗濯タグ用シールを使ってもよいですが、急ぎの場合は油性ペンでも構いません。

下着は多めに用意する

病衣やタオルはリースできても、下着は自前という病院もあります。

洗濯代行を使う場合も、回収から返却まで数日かかることがあります。

そのため、下着や靴下は少し多めに用意しておくと安心です。

目安としては、短期入院なら3〜5日分、長期入院なら洗濯方法に応じて5〜7日分程度あると安心です。

ただし、病室や床頭台の収納スペースは限られているため、持ち込みすぎにも注意しましょう。

乾きやすい素材を選ぶ

自分で洗濯する場合は、綿100%の厚手の衣類よりも、乾きやすい肌着や靴下の方が扱いやすいです。

病院内の乾燥機を使える場合でも、衣類によっては縮みやすいことがあります。

洗濯代行では高温乾燥になる場合もあるため、熱に弱い衣類や高価な衣類は避けた方が無難です。

汚れ物を入れる袋を用意する

洗濯前の衣類を入れる袋も必要です。

ビニール袋、ランドリーバッグ、洗濯ネットなどを用意しておくと、家族が持ち帰るときにも便利です。

においが気になる場合は、防臭袋を使うのもよいでしょう。

病院のルールを確認する

洗濯物の受け渡し、病室干し、コインランドリーの利用時間、乾燥機の有無などは病院によって違います。

入院案内の冊子や病棟の説明を確認し、不明な点は早めに聞きましょう。

どの方法を選べばいい?状況別の目安

状況おすすめの考え方
2〜3日の短期入院衣類を多めに持参すれば足りることが多い
1週間程度の入院病院内洗濯機または家族持ち帰りを検討
長期入院入院セットや洗濯代行を検討
家族が遠方入院セット、私物洗濯代行、相談員への相談
一人暮らし入院時に洗濯方法を必ず確認
リハビリ病院・療養型病院長期化しやすいため、洗濯代行やリースを早めに検討
生活保護を受けている申し込み前に病院・業者・福祉事務所へ確認

骨折後、脳卒中後、肺炎後、長期入院による体力低下などでリハビリが続く場合は、入院期間や転院先によって洗濯物の対応も変わります。

リハビリがいつまで医療保険で受けられるのか、介護保険リハビリへ移行する場合があるのかを知りたい方は、「リハビリはいつまで保険で受けられる?150日ルール・13単位・介護保険移行を解説」も参考にしてください。

病院に聞くときの例文

入院中は、家族も患者さんも不安が多く、費用のことを聞きにくいと感じることがあります。

ただ、洗濯や入院セットの確認は、決して失礼なことではありません。

次のように、落ち着いて具体的に聞けば大丈夫です。

病衣・タオルのリースを確認したいとき

病衣やタオルのレンタルセットはありますか?内容と料金を教えてください。

下着の洗濯について確認したいとき

下着や靴下などの私物洗濯は、病院で代行サービスがありますか?

家族が遠方で通えないとき

家族が遠方で、洗濯物の受け渡しが難しいです。利用できる洗濯代行や入院セットはありますか?

費用が心配なとき

入院セットや洗濯代は、病院の入院費とは別請求になりますか?

生活保護を受けているとき

生活保護を受けています。入院セットや洗濯代行を申し込む前に、福祉事務所へ確認した方がよいでしょうか?

おむつが必要なとき

おむつセットの費用は、病衣・タオルのセットとは別扱いになりますか?生活保護の場合の確認先も教えてください。

ポイントは、最初から「払えません」「無料ですよね」と言うのではなく、確認させてくださいという形で聞くことです。

病院側も、費用面の不安があることは理解しています。

早めに相談することで、使えるサービスや確認先を案内してもらいやすくなります。

よくある質問

Q1. 入院中の洗濯は看護師さんに頼めますか?

日常的な私物洗濯を看護師さんに頼む前提では考えない方がよいです。看護師さんや看護助手さんは、医療・看護・療養上の介助を中心に業務を行っています。洗濯代行がある場合でも、病院や委託業者のサービスとして運用されていることが多いため、病棟で確認しましょう。

Q2. 病衣をレンタルすれば、洗濯物はなくなりますか?

病衣やタオルの洗濯物は減りますが、下着、靴下、私服などは自前で洗濯が必要な場合があります。入院セットの内容を確認しましょう。

Q3. 入院セットは高額療養費の対象になりますか?

入院セットは保険外費用として扱われることが多く、高額療養費の対象にはなりにくいです。入院セット事業者のFAQでも、入院セットに含まれる商品は保険外商品のため、高額療養費の対象にはならないと案内されています。

Q4. 生活保護を受けている場合、入院セットは無料ですか?

必ず無料とは限りません。衣類やタオルの入院セットは任意のレンタルサービスとして扱われることがあり、支払いが必要になる場合があります。ただし、自治体や福祉事務所の判断、紙おむつの必要性などによって扱いが変わることがあります。申し込み前に、病院、業者、担当ケースワーカーへ確認しましょう。

Q5. 生活保護で、おむつ代やおむつの洗濯代は出ますか?

常時失禁状態などで紙おむつ等が必要と認められる場合、生活保護の基準上、月額の範囲内で費用が認められる場合があります。また、布おむつ、貸おむつ、おむつの洗濯代についても、必要と認められる場合は基準額の範囲内で支給してよいとされています。ただし、個別判断になるため、担当ケースワーカーに確認してください。

Q6. 家族が遠方で洗濯物を取りに行けない場合はどうすればいいですか?

病院の入退院支援室、地域連携室、医療相談室、医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。病衣レンタル、入院セット、私物洗濯代行、受け渡し方法などを案内してもらえる場合があります。

Q7. 洗濯代行ではどんな服でも洗ってもらえますか?

病院や業者によります。水洗いできる衣類のみ、乾燥機にかけられる衣類のみ、ドライクリーニング不可などのルールがある場合があります。高価な衣類、縮みやすい衣類、熱に弱い衣類は避けた方が無難です。

あわせて読みたい関連記事

入院中の洗濯や入院セットの費用が気になる方は、入院費全体、転院、リハビリ、退院後の生活支援についてもあわせて確認しておくと安心です。

まとめ|入院中の洗濯は「病院ごとの差」を確認しよう

入院中の洗濯は、意外と見落とされやすい問題です。

しかし、入院が長引くと、患者さん本人にも家族にも大きな負担になります。

ポイントは、次の5つです。

  • 入院中の洗濯方法は、リース、自前洗濯、家族持ち帰り、洗濯代行がある
  • どの方法が使えるかは病院によって違う
  • 入院セットは便利だが、日額料金や別請求に注意する
  • 家族が遠方、一人暮らし、身寄りがない場合は早めに相談員へ相談する
  • 生活保護の場合は、入院セット・洗濯代・おむつ代の扱いを福祉事務所へ確認する

洗濯の話は、医療の本筋ではないように見えるかもしれません。

でも、実際の入院生活ではとても大事です。

着替えが足りない、タオルがない、洗濯物がたまる、家族が通えない。

こうした小さな困りごとが積み重なると、患者さんも家族も疲れてしまいます。

入院が決まったら、治療内容や入院費だけでなく、洗濯物の流れも早めに確認しておきましょう。

困ったときは、病棟スタッフ、入退院支援室、医療相談室、医療ソーシャルワーカー、担当ケースワーカーに相談してください。

参考資料

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